白い川と黒い川~岐阜県白川町・東白川村へ(前編)

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 ▲美濃白川の中心部を流れる清流、白川(しらかわ)。町内にはこの他に黒川赤川という川もある。

先日、うししが丘ルネッサンスで有名なみるくさんとともに、岐阜県の美濃白川(みのしらかわ)方面に遊びに行ってきた。
岐阜で「白川」といえば、世界遺産にも登録されている合掌造りの白川郷を思い浮かべる方が多いだろうが、あちらは「飛騨白川」。よく混同されるのだが、今回行ってきたのはJR高山線の白川口駅を中心とした「美濃白川」である。
ただ、こちらの白川。白川茶や東濃ひのきなどの名産品があるものの、観光地というにはややマイナーで、下呂温泉や高山に行くときに通り過ぎるだけの小さな田舎町という印象が強い。果たして、美濃白川の旅ではどんな発見があったのか…?
10月13日、朝。
岐阜市のみるくさん邸からクルマで出発。関市、坂祝町、美濃加茂市と複雑な抜け道をくねくねと進み、川辺町から国道41号に出た。

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 ▲清々しい秋晴れの中のドライブ。国道41号美濃加茂バイパス、美濃加茂市・川辺町境付近で。

飛騨川沿いの谷間に沿って伸びる国道41号をしばらく北上し、白川町の手前の加茂郡七宗町(ひちそうちょう)でひとまず休憩。道の駅「ロック・ガーデンひちそう」などに立ち寄りつつ、飛騨川の渓谷美を楽しんだ。

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 ▲麻生橋から眺めた飛騨川・飛水峡(ひすいきょう)
このあたりの河岸には甌穴(おうけつ)と呼ばれる独特の丸い穴が見られ、国の天然記念物にも指定されている。5年前にも大学の野外実習で見学に来たことがあるが、何だかもっと昔のことのような気がした。

飛水峡に沿って国道41号を走っていると、深い谷の中でひときわ目立つ白い塔が見えてきた。

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 ▲1968年に発生した「飛騨川バス転落事故」の慰霊碑、「天心白菊の塔」だ。
この塔の横は今までに何度も通り過ぎたことがあるが、今回はちょっとだけ立ち寄ってみた。事故の詳細はWikipediaの記事にやけに詳しくドラマチックに描かれているが、読んでいるだけで背筋が凍り付くような恐怖感が伝わってくる。
石碑の裏面には、バス事故での犠牲者104名と、災害での犠牲者14名の氏名・年齢が刻まれていた。家族向けツアーだったこともあり、10代前後の子どもの名前が目立つ。さぞ無念だったことだろう。

国道41号をさらに北上すると、いよいよ本日の最初の目的地である美濃白川に到着。まずは街のはずれに位置するJR白川口駅に向かった。

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 ▲JR白川口駅。普通列車と特急ひだの一部のみが停車する、小さな駅だ。
駅名に「口」と付くのは、白川町の中心街とは飛騨川を挟んだ対岸に位置するためだろう。実際、駅が開業した当時は、西白川村(白川町の前身)とは別の、坂ノ東村という自治体に属していたようだ。
そんなわけで、駅前に見える建物と言えば民家が数軒とバス待合所のみ。とても特急停車駅とは思えない風景だ。

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 ▲白川口駅の近く、国道41号沿いに建つ新聞屋さん。横から見ると何ともユニークな形をしている。

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 ▲反対側から見ると、そのおかしな形状がよくわかる。おそらく国道41号の拡幅の際に削られたのだろう。

さて、白川口駅前のバス待合所では「白川で、いっぷく。」というイラストマップが配られており、しかも「名産・物産・食べる 編」「歴史・文化 編」「祭り・イベント・遊ぶ 編」の3種類が用意されている。このマップをもとに、さっそく街歩きに繰り出した。

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 ▲飛騨川に架かる白川橋。白川口駅と街の中心部とを結ぶ、まさに白川の玄関口だ。
1926年に架けられたというこの吊り橋は、「土木学会選奨土木遺産」とやらに選ばれており、夜間にはライトアップもされるそうだ。かつては国道41号がこの橋を通るルートだったが、1960年に500mほど下流に飛泉橋という青いアーチ橋が架けられたため、現在こちらは歩行者専用の橋となっている。

白川橋を渡ると、ようやく白川の中心街である河岐(かわまた)地区に突入する。
河岐の街は、白川(飛騨川の支流)の北側を通る「天神通り」、白川のすぐ南側を通る「堀通り(堀町通り)」、さらに堀通りの南側を通る県道62号の3つの通りから成り、これらが街の東西の軸となっているようだ。

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 ▲まずは白川の北を通る天神通りへ。
通り沿いには白川町役場や白川郵便局などの公共施設が立地し、大きな蔵のある古民家や風情のある旅館、古い洋館のような歯科医院もある。昔から主要な街道だったのだろう。白川口駅方面とは川と山で隔てているので、国道41号やJR高山線で通り過ぎるだけだと、こんな人情味のある街があるとはなかなか気付きにくいものだ。

白川に架かる松ヶ瀬橋を渡り、今度は川の南側へ。

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 ▲続いてやって来たのは堀通り(堀町通り)。
かつて小原城(おばらじょう)という城の堀があったことからその名が付いたそうだ。こちらは天神通りよりもさらにお店が多く、白川を代表するメインストリートのようだ。

街路灯の表示を見ると、このあたりの商店街は全て「白川口商店街」となっている。そもそも白川口というのは、飛騨川の西側にある駅に付けられた名前のことだが、川の東側なのに白川口とはこれ如何に。白川口駅を中心に栄えた商店街という意味合いなのだろうか。

この堀通り沿いを歩いていると、こんな看板の呉服店を発見。
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 ▲印象さわやか、青春の色。いや~、これは凄い。70年代の香りがぷんぷんするぞ。

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 ▲この二人は一体誰なんだろう。左側は桜田淳子か。それとも当時の白川のアイドルか?

堀通りと県道62号との間には、下の写真のような小さな路地がいくつか伸びている。この左側に見える、「元気ショップこめこめ」というお店に立ち寄ってみた。
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 ▲本来は米屋さんのようだが、白川のお土産もたくさん置いているようだ。
中でもこのお店オリジナルの「穀楽細うどん」は、今春に開催されたご当地B級グルメ「第1回かも1グランプリ」で見事グランプリに輝いたそうで、駅前でもらったイラストマップでも紹介されていた。
要冷蔵なので買うのを躊躇していたのだが、親切にも保冷ボックスと保冷剤をサービスしてくださった。

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 ▲そして後日、自宅で調理してみた穀楽細うどんがこちら。
お茶の名産地らしく、緑茶と米粉が練り込まれたこのうどん。茶そばのようにほんのりとお茶の風味が漂い、のど越しもなめらかで本当に美味しい!これは白川の新名物になりそうだ。
グランプリ作品のサラダうどんもぜひ試してみたいが、早くしないと冬が来てしまいそうだ…。

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 ▲引き続き白川の街歩き。今度は堀通りのバイパスにあたる県道62号にやって来た。
白川口トンネルを経て国道41号と直接繋がっているので交通量も多く、白川の中心街を車で訪れる人は普通、ここを通って来ることになる。
こちらは郊外型の中型店舗が建ち並び、山間部の田舎町にしてはちょっと大きめの食品スーパーや、雑居ビルなどもある。風情はあまりないが、ちょっとした都市のような風景だ。

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 ▲最後に、国道41号の飛泉橋から眺めた白川市街。
手前から左奥に伸びるのが白川橋の架かる飛騨川、右奥に伸びているのが天神橋の架かる白川だ。こうして見ると、「河岐」という地名の由来が何となくわかる気がする。

白川の街をひととおり歩き終え、再び白川口駅に戻ってきた。大き過ぎず、小さ過ぎず、しかも適度に賑やかで、休日に気軽に街歩きをするにはちょうどいい規模の街だと思った。

さて、この白川町は枝分かれした川に沿って、白川(河岐)だけでなく黒川、赤河、佐見などのいくつかの地区からなるようだが、イラストマップを見るとどうやら黒川地区にもちょっとした市街地があるようだ。ということで、白川の支流である黒川に沿って県道70号を進み、次は黒川地区に向かうことにした。

(続く)

●当日のみるくさんの記事 うしルネブログ:白川口、黒川、神土(10.10.16)
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Comment

白川懐かしいですね~
大学の頃(12、3年前)ゼミの合宿で町内にある「クオーレふれあいの里」に行きました。
コカコーラの自販機に白川茶がなぜかセットされてたけど、これが缶のくせに絶品だったのを思い出しました。

あと、飛騨川バス転落事故は父の中学の同級生が乗客としては唯一助かった事をここを通る度に話してました、親兄弟は亡くなったそうですが。

ありがとうございました。

まっちさん、その節はこめこめへご来店&お買い上げいただきありがとうございましたm(__)m
本場のB級グルメに呼ばれるようこれからもがんばります。
これからも素敵な旅を続けてくださいね(^O^)
またこちらへ来る事がありましたら是非お立ち寄り下さい。

飛騨川バス転落事故のWikipediaの記事に見入ってしまった。うっすらとはこの話を聞いたことがあるけど、なかなか壮絶な事故だったんだね。41号は黒部に行ったときに高山本線に乗ったからその時にたまたま車窓から見ていたけど、あのあたりは線路も道も山ギリギリにうねるように通っていてよく考えるとかなり危険だよね。まぁ、山だらけの国だから仕方ないんだろうけど。というかこの記事が衝撃的すぎて他の内容が飛んでしまった(笑)すまない。。

>9丁目1番地さん
白川茶の自販機といえば、以前白川郷(ここではなく飛騨白川の方)に行ったとき、全品白川茶ばかりの自販機がありました。知らない人が見たら、白川郷の近所で採れたお茶だと思うでしょうね。
飛騨川のバス事故、生存者がたった1名というのは割と有名な話ですが、お父様の同級生だったとは。天心白菊の塔の前で彼が朗読したという追悼文は、何度読んでも泣けてきます。

>komekomeさん
こちらこそ、ブログにお越しいただきありがとうございます。
お店では街の通りの名前なども教えていただき、おかげさまで白川の旅がとても印象深いものとなりました。
白川方面に行くことがあれば、ぜひまた立ち寄らせていただきますね。

>LLPさん
飛騨川沿いは岐阜県内でも特に険しい地形なので、景色が良い代わりに、危険と隣り合わせなんですよね。
白川町内でも大雨のせいで堤防が崩れたところがあるらしく、以前その調査に行ったと同行のみるくさんが話していました。
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