崖の上の街 三重県・亀山

P1540517RSS.jpg
旧東海道亀山宿(万町)の街並み。

(前回からの続き)

亀山井田川郵便局で3時間もかけて貯金をした後、せっかくだから亀山市街にも足を伸ばしてみることにした。
一緒に来たみるくさんと、井田川局で出会ったてつろうさんと3人で井田川駅に戻り、12:01発の亀山行きワンマン列車に乗車。同じ列車には井田川局で貯金をし終えた旅行貯金者たちが続々と乗ってきて、真っ昼間なのにかなりの混雑となった。その影響からか、ワンマン列車のはずなのに車掌さんが乗務して車内精算にあたっていた。

井田川駅を出ると次はもう終点の亀山駅。5分ほどで到着した。
P1540606RS.jpg
JR亀山駅。JR東海とJR西日本の分界にあたり、大きな車庫が併設されている。

P1540600RS.jpg
亀山駅前風景。旅館や土産物屋が建ち並び、一昔前の観光地っぽい雰囲気だ。左側に見える鳥居は、井田川駅の近くにある能褒野(のぼの)神社の一の鳥居。

亀山駅は何度も乗換で利用しているが、駅の外に出るのは2005年9月以来、4年ぶりだ。と言っても、前回は夜だったし、駅から少し離れたところにある亀山エコーというショッピングモールまで歩いただけなので、亀山の“街”を訪れるのは実質これが初めてだ。

kameyama_map.gif
亀山市街の簡単な地図
亀山は伊勢亀山城の城下町として、また東海道の宿場町として栄えたところだ。ローソクの産地としても知られ、最近はシャープ・AQUOSの「亀山モデル」でも有名だ。
地図を見ただけでは分かりにくいが、亀山の街は立体的である。崖の上のポニョ…もとい、崖の上の台地に旧市街が乗っかっていて、崖の下の平地には亀山駅を中心とした新市街が広がっている。

まずは駅の真正面にある亀山駅前郵便局に立ち寄った。
ここも何の変哲もない郵便局で、取扱局番号も「22313」と何でもない数字なのだが、明らかに様子がおかしい。井田川局から流れて来た旅行貯金者たちでやたら混雑しているのだ。おそらく朝からこんな状況が延々と続いているのだろう。局員さんも手慣れた様子で入金手続きを済ませてくれた。
しかし、当事者である井田川局はともかく、近隣局までこんなふうに巻き込まれるとは…。局員の皆さん、本当にお疲れさまでした。

P1540591RS.jpg
▲続いて、亀山駅の北東から北へ伸びる亀山駅前通りへ。
旧市街と駅とを結ぶ軸にあたり、おそらく昔からのメインストリートなのだろうが、もはや商店街とは言い難いほど寂れてしまっている。4年前に来たときよりもさらに衰退しているようで、駐車場や空き地ばかりだ。

その駅前通りをしばらく北上すると、県道28号(旧国道1号)に出た。
P1540433RSS.jpg
県道28号(旧国道1号)。ロードサイド型の大型店舗が連なり、いかにも郊外らしい雰囲気。どの店も賑やかで、先ほどの駅前通りとは対照的だ。

そして、この通り沿いに建つ亀山郵便局に立ち寄った。大きな郵便局(元普通郵便局)なので、一般のお客さんでそこそこ混み合っていたが、やはり同業者もちらほらいるようだった。
てつろうさんは次の列車で柘植方面に向かうそうなのでここで別れ、ここから先はみるくさんと二人で歩いた。

次にやって来たのは、亀山郵便局の少し先にある亀山エコーというショッピングモールだ。上にも書いた通り、2005年9月にも訪れている。
P1540435RSS.jpg
亀山エコー。「ショッピングモール」と書くと、良い意味でも悪い意味でも今風の、風情のない画一的な店舗を思い浮かべるかもしれないが、ここはそうではない。うまく言葉では言い表せないが、ちょっとした田舎町にありそうな、どことなく懐かしい雰囲気なのだ。4年前に来たときはここで草餅とプリンを買ったなぁ、などとどうでもいいことを思い出しながら、お茶とお菓子を購入した。

さて、上の地図を見るとわかるが、この亀山エコーは崖の下に建っている。なので、崖の上の旧市街に住んでいる人たちはぐるりと峠を迂回しなければならない。そんな不便を解消すべく、亀山エコーはこんな橋を造ってしまった。
P1540442RS.jpg
▲その名もヤッホー大橋。建物の4階から直接伸びていて、崖の上に繋がっている。橋の上は自転車置き場にもなっているようだ。

このヤッホー大橋を渡り、崖の上、すなわち亀山の旧市街にやって来た。しばらく歩くとこんな商店街に出た。
P1540460RS.jpg
▲亀山の旧来からのメインストリート、東町商店街。亀山市では唯一の片屋根式アーケードだ。
妙に白いタイル張りの建物が多いが、おそらく道路の拡幅に合わせてデザインを統一したのだろう。

この東町商店街は旧東海道にあたるのだが、亀山の旧東海道沿いには「東海道亀山宿 東町 よろずや跡」のように旧地名と昔の屋号が書かれた札があちこちに貼ってある。これはきらめき亀山21」というボランティアグループによって取り付けられたもので、1863年に書かれた「宿内軒別書上帳」という地図に基づいているという。時代とともに昔の面影が失われていくのは仕方のないことだが、「屋号」というツールを用いて少しでも往時の面影を蘇らせようという、なんともユニークな取り組みだ。

ちなみに旧東海道沿いの旧地名は、東から順に茶屋町、鍋町、東新町、東町、横町、万町、西町、西新町となっているようだ。ということで、この旧東海道を順に踏破してみることにした。

東町商店街をしばらく東へ進むと、旧東海道のルートは左に曲がり、狭い通りになる。
P1540467RS.jpg
▲旧地名では東新町、鍋町、茶屋町にあたり、現在は「本町通り」と呼ばれている通りだ。通りの入口には廃業した銭湯らしき建物があり、侘びしさが漂っていた。奥に見えるお城のような建物は呉服店のようだ。

適度に生活感が漂い、わざとらしく観光地化され過ぎていない雰囲気がまたいい。名古屋市内の鳴海や笠寺の旧東海道沿いによく似ているが、あちらは自動車の格好の抜け道になっていて、ひっきりなしに車がビュンビュン通るので閉口する。それとは対照的に、こちらは交通量も少なくのんびりと散策することができた。

600mほど歩くと亀山本町郵便局があったので、ここでも貯金。同業者は見かけなかったが、局員さんによると朝からたくさん来ているそうだ。「井田川さんでは長く待たれましたか?ご迷惑をお掛けして申し訳ないです」と局員さんに言われたが、いやいやとんでもない。迷惑掛けてるのはこっちの方だ。

ところで、亀山の本来の城下の中心は亀山城址や市役所のあるあたりなので、この「本町」という地名はどういう経緯で名付けられたのかちょっと疑問だ。

来た道を引き返し、東町商店街を500mほど西に進んだところを左に曲がると、再び昔ながらの街並みに出た。
P1540510RSS.jpg
▲旧地名でいうと横町。写真の地点は道路がクランク状にカーブしているが、これは見通しを悪くして城下を防衛するためのもので、「枡形」や「鍵曲がり」などと呼ばれている。全国どこでも、旧街道を歩いていればよく見かけるものだ。

P1540513RSS.jpg
▲横町の通り沿いにあった遍照寺の鐘門。崖っぷちに建っているので、崖の下の新市街がよく見渡せる。

P1540534RS.jpg
▲さらに進むと万町となる。このあたりが最も街道らしい雰囲気が残っていた。

万町の先で駅前通りから続く広い道と交差し、その脇には「池の側」という変わった名前の池があった。どうやらこれが亀山城のお堀の跡のようだ。そして、その北側に亀山城跡がある。

P1540543RS.jpg
伊勢亀山城跡。現在は石垣と多聞櫓だけが残っている。
城跡の前に立っていた解説板には、「三宅氏が城主の時、丹波亀山城の天守を解体するよう命じられた堀尾忠晴が間違えて伊勢亀山城の天守を取り壊したと伝えられるが真偽のほどは定かではない」と書かれていた。丹波亀山城というのは現在の京都府亀岡市に建っていた城だが、そんなアホみたいな話があるのか。いずれにせよ、現在の亀山城に天守は残っていない。

P1540536RS.jpg
▲池の側の前に戻り、ここから西は西町となる。駅前通りから続く広い道との交点には、お城見庭園という小さなポケットパークが作られていた。

P1540555RSS.jpg
▲さらに西へ進むと西新町。この先に京口門跡があり、そのまま進むと関、草津などを経て京都に至る。

約2kmにわたる亀山市街の旧東海道を歩き通したので、そろそろ亀山駅に戻ることにした。

P1540585RSS.jpg
旧市街から新市街に下る坂道。ここもちょっとした商店街になっている。

亀山駅に戻ると、井田川局で一緒に並んでいた埼玉の男性にばったりと会った。井田川から歩いて来られたそうだ。旅行貯金という趣味を始めると、5kmや10km程度の距離なら何とも思わず歩く人が多いようだ。

そして亀山駅から14:23発の名古屋行きに乗り、みるくさんは途中の富田駅で降りて周辺の郵便局へ、私は夕方から大学で用事があったのでそのまま名古屋駅に向かった。この車内からも井田川局が見えたのだが、局の外がガラガラに空いていたのは前回の記事でも書いた通りである。

2010年2月22日の亀山シリーズはこれで終わりです。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

(完)

【目次】
平成22年2月22日 22222 亀山井田川郵便局
・崖の上の街 三重県・亀山(このページ)
関連記事

Comment

津駅より。

今回は近鉄の車内からiphoneでこめんと。松阪で20時過ぎまで仕事していま津を出ました。

壮絶な亀山の1日の続編ですね。亀山といってもあんまりピンとこないけど、ここもやはりまっちさんの好きそうな町ですね。地元も含め高台から町を見渡せるところはたくさんあるけど、結構くっきりとした崖具合やね。ヤッホー大橋いいねぇ。エレベータとかつけて1Fを店舗にしたら、買い物目当てじゃない人にお店に立ち寄ってもらう構図ができるかも。

郵趣家は5~10kmくらいなら平気で歩いちゃうんだね。いやはや怖るべし。うーんコメント書いてる間に眠く相当になってきてしまった。名古屋までしばし仮眠します、

京都駅より。

遅くまでお疲れさまでした。ではこちらは京都駅に停車中の新幹線の車内から。
本格的に亀山を訪れたのは今回が初めてだったので、なかなか新鮮な気分でした。特に旧市街は坂道とカーブの連続で、歩いていて面白かったですよ。
ヤッホー大橋はまさにエレベータで繋がっていて、1・2階が店舗になっているようです。うまく考えたものですね。

またまた紹介していただき恐縮です(汗)
さすが旧東海道沿いの街ですね。歴史を感じさせてくれます。
本町局もそうですが、隣の関の方にも、機会があれば訪問したいです。

>てつろうさん

郵便局だけでなく、せっかくだからと観光をしてみると、新たな発見があるものですよ。
関局は局番号が22022で、当日はここも訪問者が多かったみたいですね。関は10年前に一度訪れたことがあるんですが、古い街並みが残っていてなかなかいいところでした。
Comment Form
公開設定

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。