冬の日本海 越前・三国湊

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▲九頭竜川河口から望む、夕暮れの日本海。三国港駅前で。

一昨日から昨日にかけて福井に行ってきた。
北陸にはいろんな縁があって個人的に非常に馴染み深い土地だが、なかでも福井は特に気に入っているところで、1年に1回以上のペースで訪れている。
まずは名古屋から新幹線と特急しらさぎを乗り継いで、9時15分に福井駅に到着。未明に信号系統トラブルが発生したとかで新幹線が遅れていたが、私が乗ったひかり号は名古屋始発なので、定刻通りに運行してくれた。
福井駅前の風景はもうすっかり見慣れていたが、今までずっとゴチャゴチャしていた工事が一段落し、すっきりとした景色になっていた。東口のアオッサの前にはいつの間にか大きなバスターミナルが出来ていて驚いた。

そして、福井に住む友人と福井駅前で待ち合わせ、えちぜん鉄道で三国へ。
…となるはずだったのだが、その友人が寝坊したため、先に西長田という駅まで行き、そこで待ち合わせて30分後の電車に乗ることになった。西長田駅は用がなければまず来ることがなさそうな、農村集落の中の小さな駅だ。えちぜん鉄道では数少ない有人駅だが、休日は無人なので閑散としていた。
やがて友人が到着し、そこから20分ほど電車に揺られて三国神社駅で下車。三国には2006年9月にも来たことがあるが、そのときもこの三国神社駅で降りたので懐かしい。とても駅があるとは思えないような、民家の軒先のようなところにある小さな駅だ。

さて、冬の福井といえば、何といっても海の幸。ということで、三国神社駅から歩いてほど近いところにある富士寿司さんへ。

大漁丼
大漁丼。温泉卵が乗っていて、これがとてもよく合う。

ぜいたく巻き
ぜいたく巻き。これは凄い。これをぜいたくと言わずして何と言う!

どちらもボリューム満点で、その割にはとても安い。こんな美味しいものがすぐに食べに行ける友人が羨ましすぎる。

そこから今度は三国の旧市街へ。「三国湊きたまえ通り」と呼ばれる旧街道沿いには、旧森田銀行本店、旧岸名家など見どころが多く、観光ルートとなっている。

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三国湊きたまえ通り(下町通り)
三国には文学に関連した史跡が多く、昔から文人に愛される土地だったことがわかる。

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▲きたまえ通りの1本北を並行する上ハ町(うわまち)通り。旧地名では久宝寺町と平野町にあたる。

三国駅前通り
駅前通り商店街。こちらは比較的新しい街並みだ。
休日なので閉まっているお店が多いが、地方の旧郡部という割にはかなり栄えている。

続いて、三国駅前から駅裏の方に伸びるエッセル坂という遊歩道へ。このエッセル坂という名前は、三国港突堤や旧龍翔小学校を設計したオランダ技師ジョージ・アーノルド・エッセルにちなんでいる。ちなみにトリックアート(だまし絵)で有名なマウリッツ・エッシャーは、このエッセルの息子である。こうした縁から、三国ではトリックアートによる町おこしが行われていて、町内のあちこちにトリックアート関連の作品が展示されている。

エッセルの設計した龍翔小学校は1879年に建てられ、ユニークな外観から地域の人々に親しまれたものの、木造で30m以上の高さがあることから風雪に耐えがたく、惜しくも1914年に取り壊された。この龍翔小学校を模して再建されたのが、みくに龍翔館という郷土資料館だ。

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みくに龍翔館。エッセル坂を登った丘の上にあり、町内の各所から見える。

龍翔館を見学してから再び三国湊きたまえ通りに戻り、今度は三國湊座へ。観光案内所を兼ねた軽食店だ。三国は福井県内でも特に観光に力を入れているところのようで、この店もとても賑わっている。
入口のドアに「分でかしてね」と書いてあるのはご愛敬か。

三國バーガー
▲三國湊座の名物、三國バーガー
福井県産牛肉と地元三国産のらっきょが入っていて、パンは米粉を使用している、なかなか手の込んだご当地バーガーだ。噂には聞いていて、以前から食べたいと思っていたのだが、想像していたよりもずっと美味しかった。三国の新名物として成功しているようだ。具材にこだわっているためか、値段はちょっと高めだが、どこやらのテキサスなんちゃらやニューヨークなんとかに負けないよう頑張ってほしい。

さらに、駅前通り商店街で酒まんじゅうも購入。これもまた独特の風味が美味しい。何度来ても思うが、福井県には美味しい名物が本当に多い。他にも羽二重餅水ようかん越前そばソースカツ丼などなど。もう、交通が不便でさえなければ今すぐにでも移住したいほどだ。

続いて、三国市街の西部に位置する出村(でむら)と呼ばれる地区へ。ここはかつて遊郭があったところで、古い街並みが残っているという。残念ながら思ったほど面影は残っていなかったが、地区の入口にある思案橋のあたりはなかなか風情があった。

思案橋
思案橋。出村遊郭に入るか入るまいかと客が迷うことから名付けられたそうだ。

この近くには、出村遊郭の遊女であり、俳人としても活躍した哥川(かせん)ゆかりの寺である永正寺があった。今風に言うならケータイ小説作家のキャバ嬢といったところか?いや、ホステスのエッセイストか。いい例えが思いつかないが、とにかくこの出村遊郭には教養と気品に満ちた遊女が多かったそうである。

さらに歩いて、えちぜん鉄道の終点である三国港駅へ。駅舎はリニューアル工事が行われていた。

眼鏡橋
▲三国港駅の近くにある眼鏡橋。国鉄三国線の敷設に伴い1913年に架設されたそうだ。珍しい技術で作られた橋らしく、同様の橋は全国で29ヶ所にしかないという。思案橋に眼鏡橋と、なんだか長崎みたいだ。

ここから10分ほどえちぜん鉄道の電車に乗り、関西の奥座敷と言われる芦原温泉への最寄り駅、あわら湯のまち駅で下車。そして、駅の近くにあるセントピアあわらという日帰り公共温泉に入り、旅の疲れをゆっくりと癒した。館内には温泉に関するちょっとした展示コーナーも併設されていて、なかなか面白いところだった。

そして再びあわら湯のまち駅前へ。ロータリーの左手には広大な空き地があり、そこにはこんな屋台街が。
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あわら温泉屋台村 湯けむり横丁。プレハブのような簡素な建物が並んでいるだけだが、なかなか賑わっている。その中の1軒のおでん屋さんに入った。

明(はる)
手作りおでん 明(はる)。とても元気で明るいおかみさんが1人で切り盛りしている。客層は地元の人と観光客が半々程度で、ちょっとした社交場のような雰囲気だった。

温かいおでんと、おかみさんのユーモア溢れるトークにお腹いっぱいになりながら、あわら湯のまち駅から上りの最終電車で西長田駅へ。そしてこの日は友人の家に泊まった。とても充実して楽しい一日だった。同行してくださったFさんには心から感謝しています。

翌日は友人の家からほど近いJR春江駅に向かい、そこから北陸本線のいろいろな駅に途中下車しつつ、名古屋に帰ってきた。そのことについては、また次回の記事で。

(続く)
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Comment

福井は小浜(話題になるずっと前)しか行った事ありませんが、
かつての名城線や岐阜の電車が走ってるんで暖かくなったら
三国と一緒に訪ねてみたい場所ではありますね。

眼鏡橋の光景が一瞬、瀬戸線が名古屋城のお堀を走ってた時代の、
本町橋にあったガントレットに見えました

以前岐阜で走っていた電車に福井で乗ったときは、無性に懐かしかったですね。
福鉄はJRとぴったり並行しているので、なかなか経営が苦しいみたいですが、なんとか棲み分けを図って頑張ってもらいたいです。

眼鏡橋、確かに線路の形状が本町橋に似てますね。といってもガントレトは生で見たことはないのですが…。
ちなみにこのえちぜん鉄道には元愛環の電車も走ってますよ。
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