トラワヨ・プサンハンエ

以前にも書いたように、昨年の12月、10日間にわたる長い韓国旅行に行ってきた。
出発の朝、最初に向かったのは、中部国際空港ではなく、新幹線の名古屋駅だった。

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そう、今回は山口県の下関から関釜フェリーで釜山に渡ったのだ。
名古屋に住む私にとって、わざわざ関釜フェリーを利用するメリットは少ない。下関に行くだけでかなりの時間と金額を費やしてしまうからだ。
しかし、歴史あるこの航路に一度乗ってみたかったのだ。航空路線が発達した今、船で日本から出る機会はなかなかない。また、下関という街にもずっと前から行きたいと思っていた。つまり、下関旅行と韓国旅行をコラボし、さらに関釜フェリーに乗るという経験を一度に成し遂げたのが今回の旅行というわけだ。

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▲下関のシンボル、海峡ゆめタワー

下関の話題はまた後で書くこととして、今回は関釜フェリーを中心に紹介しよう。

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▲これが関釜フェリーの発着する下関港国際ターミナル。JR下関駅からは徒歩10分程度と便利だ。

関釜フェリーは下関と釜山をそれぞれ夕方に出発し、翌朝に到着するというスケジュールで毎日運航されている。日本船籍(関釜フェリー)のはまゆうと、韓国船籍(釜関フェリー)の星希(ソンヒ)が交互に行き来しており、どちらに当たるかは公式サイトで確認できる。

ちなみに料金は、最も安い2等部屋で片道9,000円(学割7,200円)、1等部屋で片道12,500円(学割10,000円)。この他に旅客ターミナル施設使用料と燃油サーチャージが必要になるが、合わせて1,000円程度だ。年間を通じて同じ金額なので、時期によっては飛行機よりもかなりお得である。

ということで、出発の12月17日。昼間のうちに乗船手続きを済ませ、下関市内を観光してから、夕方17時過ぎに再びターミナルに戻って来た。
この日の夕方に訪れた下関上田中四郵便局の局員さんに、「今日は風が強いから海が荒れるよ」とか「対馬の沖から怖いくらい揺れるそうよ」などと脅され、ちょっぴり不安になりながら出国審査に向かった。

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▲夕方の下関港国際ターミナル。
出国審査を待つ人々でごった返しているが、日本語が全く聞こえて来ない。ここはまだ日本のはずだが・・・。しかも聞こえてくる言葉はみな釜山訛り。面白いほどアクセントが日本語に似ていて、やたら耳に入ってくる割にさっぱり意味が分からない。

出国審査やら何やらを経て、ようやく船に乗った頃にはもう19時過ぎ。すでに真っ暗だが、これがもし夏なら、夕暮れの関門海峡が見えて美しいことだろう。
船内ではクリスマスソングのBGMが流れていて、師走ならではの気忙しさを感じる。日本船籍の船なのに係員は韓国人ばかりで、案内放送もほとんど韓国語。乗客も9割くらいが韓国人のようだ。これはもう異国情緒なんていうレベルではない。ソウルの繁華街の方がよほど日本人が多いんじゃないかと思うほどだ。

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▲1等客室。清潔感のある室内で、シャワーとトイレもあり、一通りの設備は整っている。

そういえば高校の修学旅行で、大阪から九州の別府まで夜行フェリーに乗ったのを思い出す。大阪のUSJに行ってからフェリーで九州に移動し、4日間九州を観光してから新幹線で名古屋に帰るという、この私でもビックリするほどの物好きなルートだった。監獄のような狭いベッドで寝苦しかった記憶があるが、明石海峡大橋の下をくぐる瞬間は印象的だった。母の実家が四国にある関係で、フェリー自体には幼い頃から何度も乗って慣れていたが、船中泊というのはこのときが初めてだったと思う。

ともあれ関釜フェリーは下関を出港し、関門海峡を通過したようだ。ここらで夕食をと思い、船内のレストランにやって来た。高速道路のサービスエリアにあるような、食券を買うタイプのごく普通のレストランだ。日本船籍のはまゆうだからか、食券販売機は「円」専用で、ほとんどのメニューが和食のようだった。韓国料理は翌朝から飽きるほど食べられるので、ここはあえて和食を注文。

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▲親子丼定食、800円。特においしいわけでもないが、まずくもない、ごく普通の定食だった。

時刻は20時過ぎ。携帯に搭載されているGPSを起動させたら蓋井島という島の近くにいるようだった。遠いところに来たような気がしたが、地図で見るとまだまだ全然下関の近くだ。この時点でauの携帯はまだ辛うじて通じたが、沖合に出ると徐々に電波が弱くなり、21時頃にはとうとう圏外になった。ちょうどこのあたりから波が高くなり始め、船酔いしそうだったのでもう寝ることにした。
0時頃に一旦目が覚め、携帯を見るとアンテナが1本だけ立っていた。対馬からの電波を拾ったのだろうか。

そして翌日、12月18日。
午前3時ごろには釜山の沖合に到着していたようだが、朝にならないと税関が開かないので、しばらく沖合に停泊。そして午前7時ごろから再び動き始め、釜山港に入港した。

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▲7時ごろ、朝焼けの日本海(東海)。
ちなみにこの日、名古屋の日の出は午前7時00分ごろだったようだが、釜山では7時31分ごろだったようだ。

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▲釜山湾湾口付近より、五六島(オリュクト)方面。林立する高層アパート群を見て、あぁ韓国に来たなぁと実感する。

そして午前8時30分、釜山港国際旅客ターミナルに到着。入国審査はかなりあっけなく終わった。
船内で朝食も食べることができたが、船酔いしそうだったので、そのまま何も食べずに韓国に入国することとなった。

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▲乗ってきた関釜フェリー「はまゆう」。ロッテデパート光復店の屋上展望台より。

釜山に到着し、いよいよ韓国旅行が始まったわけだが、その話はまた次回。ここからは帰り(12月27日)のフェリーの話をしよう。

帰りはソウルから名古屋まで、「日韓共同きっぷ」という1枚の切符を利用した。これは、日本各地の主要駅から下関までの新幹線乗車券と、下関-釜山の乗船券、そして釜山-ソウルのKTX乗車券がセットになった割引切符だ(発着地によっては博多経由や慶州経由にもできる)。現在日本で発売されている唯一の国際連絡切符だが、かなりマイナーな存在らしく、航空運賃が安くなった今ではほとんど利用する人もいないという。

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▲帰りに乗った釜関フェリー「星希」。設備にはそれほど違いは無いようだった。

行きに散々船酔いに苦しめられたので、帰りは釜山港のターミナルにある薬局で酔い止めを購入。おかげで何とか船酔いせずに帰国することが出来たのだが、副作用のせいか、翌日は朝から晩まで凄まじい眠気に襲われることになった。
また、帰りは2等客室を利用した。雑魚寝の12人部屋と聞いてかなり不安だったが、同じ部屋にはなぜか4人しかいなくて、快適に過ごすことができた。船内の大浴場も利用したが、これも特に不便はなく、旅の疲れをゆったりと癒すことができた。

▲翌日12月28日の7時ごろ、関門海峡を通過。向こう側に見える街は北九州市の門司方面。
韓国人のお母さんと子どもが、「日本は海に浮かんでいる島だから、陸路で行くことは出来ないのよ」「日本が海に浮かんでいるって!?」などと話している。微笑ましい会話だ。

ということで、午前8時ごろに下関港国際ターミナルに到着。行く前はクリスマス一色だった下関の街が、いつの間にかお正月ムードになっていた。

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▲今回利用した切符(クリックすると拡大します)。
上段が名古屋から新下関までの新幹線乗車券。下段がソウルから名古屋までの日韓共同きっぷだ。


フェリーの話はここまで。次回はいよいよ韓国・釜山を街歩きします。

(続く)
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Comment

以前に大学の友人らと日本旅行を計画した時も船がどうだろうかと思う話が多かったが,やはり飛行機で行く方がはるかに気楽で価格も思ったより高くなかったです。 それでむしろ船旅行に対する憧れがあります。 その時大阪-九州間旅行やはりフェリーを利用しようかとも考えたのに,やはり外国人にはJRパスが第一ですね。

釜山(プサン)で倍に直接東京まで行くことができないかという質問もインターネットでたまに見ることができました。 あるならばおもしろいと思いますが。

携帯電話話ですが,対馬の特定地域では韓国携帯電話電波が届いたりもするようです。

ソウルからだと、釜山に行くだけでも大変ですもんね。名古屋から下関もほぼ同じくらいの時間がかかります。
仮に釜山から東京までフェリーで行けたとしても、丸一日以上はかかりそうですね。ちなみに釜山-大阪間にはフェリーがあるようです。運賃もそれほど高くなく、名古屋からならかなり安く行けそうなのですが、就職したらなかなかそんな機会は無さそうです ^^;
釜山の太宗台でも日本の携帯電話が通じるという噂があります。釜山は次回の記事で書く予定ですが、残念ながら影島は時間が無くて行けませんでした。
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