三重県縦走 四日市→津(2009.11.21)

(前回からの続き)

四日市で友人と久々に再会し、そこから県庁所在地の津に向かってドライブを楽しむことになった。

四日市から津へは、国道23号を走ればあっという間なのだが、私のいつもの口癖は「当たり前のルートを通っていくのは面白くない」。ということで、まずは笹川団地経由で塩浜へ向かった。
四日市の地理に詳しい方なら、どう考えてもおかしなルートだと気付かれるだろうが、とにかく四日市市内のいろんなところを見物したかったのだ。(わざわざこんな無茶なルートで運転してくださったSちゃん、ありがとうございました。)

ということで、まずは塩浜(しおはま)の風景から。
P1450240RSS.jpg
これぞ工業都市・四日市を象徴する風景だ。
今からちょうど半世紀前。日本が誇る高度経済成長の影で、この街を悲劇が襲った。「四日市ぜんそく」だ。少し前まで、近鉄電車に乗っていると、塩浜駅で扉が開いた途端に猛烈な悪臭が漂ってきたという。
四大公害病のひとつとして世にその名を知らしめた四日市ぜんそくだが、脱硫装置などの対策が進み、今では悪臭もさほど気にならなくなっている。かつての悲劇はすでに忘れ去られようとしているが、風化させてはならないだろう。

鈴鹿川河口から眺めた伊勢湾
▲鈴鹿川の河口付近から眺めた伊勢湾。
はるか遠くに見える陸地は愛知県の知多半島だ。中部国際空港はどのあたりだろうか。

塩浜を出発し、県道6号、通称「塩浜街道」と呼ばれる道路を南下する。伊勢湾岸に沿って白子まで続く、昔ながらの生活道路だ。沿道は薄ら寂しい風景が続くが、国道23号が混んでいるときには抜け道として使う人が多いらしく、そこそこ交通量は多い。

しばらく走ると、遠くに大きな樟の木が見えてきた。

長太の大樟
長太の大樟(なごのおおくす)だ。
樹高23mの大木で、国の天然記念物、県の文化財に指定されている。
四日市と鈴鹿の中間にあたるこのあたりは、一面が広大な田園地帯。実は、以前にJR・伊勢鉄道の快速みえに乗ったとき、はるか遠くにこの木が見えて、何だろうかと思ったものだ。JR・伊勢鉄道の線路からは最短でも2.5kmほど離れているが、そんな遠くからでも見えるほど広い田園地帯なのだ。

さらに塩浜街道を南下し、白子のあたりから国道23号に出た。
国道23号は三重県北部を南北に縦断する、まさに三重県民にとっての大動脈。これがないと三重県は多分崩壊する。沿道はありきたりのロードサイド型店舗が建ち並んでいたが、「格安ワンちゃん」という看板を掲げたペットショップも見かけた。何だかなぁ・・・
幸いにもそれほど混んでいなくて、すいすいと流れたのだが、千里駅の近くでいきなり左折。「海岸道路」という面白い道路があるのだそうだ。住宅密集地を通り抜けると、本当に海沿いを走るコンクリート舗装の道路に出た。こちらは水産加工場が建ち並び、独特の景観だ。どうやらこの道も、国道23号が混んでいるときに抜け道として利用する人が多いらしい。

やがて、友人の通っているM大学に到着。大学内をあれこれ見学させてもらった。
隣の芝は何とやらで、よその大学に来るといつも「うちの大学より綺麗だ」と思ってしまう。先月ソウル大学に行ったときもそうだった。

P1450259RSS.jpg
大学内には郵便局も。だが、この日は土曜日だったので貯金は不可。残念。

M大学を後にし、志登茂川とやらを渡ると、そこはもう津市の中心部。

P1450262RSS.jpg
このあたりの国道23号は道幅も広く、オフィス街が延々と続いている。津よりも四日市の方が都会だ、などとよく言われるが、津にはやはり県庁所在地らしい貫禄が感じられる。商業都市と行政都市という役割分担がうまくできていると思う。
それにしても、三重県というところは県庁所在地に一極集中せず、桑名、四日市、鈴鹿、松阪、伊勢といった中規模都市が分立している。そういう面では山口県もよく似ていると思う。世間では「日本一県庁所在地がショボい県」などとくだらないことを言う人もいるようだが、うまくバランスがとれているということではないか。

さて、この津市の地図を見ていると、1本だけおかしな道路があることに気付く。ほとんどの道路が碁盤の目状に配置されているのに、この道路だけは空気を読まずにぐねぐねとカーブを描いているのだ。


すぐにお分かりだろう。左上の「万町」バス停のあたりから「東橋内中」の前を通り、右下の津港の横に続く道だ。実はこの道路、近鉄伊勢線(その前は伊勢電気鉄道)という鉄道の廃線跡に造られた道路で、地元では通称「近鉄道路」と呼ばれているのだ。
なぜこんなところを近鉄が走っていたのか、という説明は長くなるので割愛するが、当時はそれだけ伊勢神宮の影響力が大きかったということである。気になる方は「伊勢電気鉄道」で検索してみるとよい。

P1450268RSS.jpg
ということで、実際に走ってみた近鉄道路の様子がこちら。上の地図でポインタが表示されているあたりの風景だ。
この道が昔は線路だったと言われてもにわかには信じがたいが、緩やかなカーブが何となくそれらしいかな、という気はする。

近鉄道路
そして、近鉄道路で一番の遺構がこちら、津興橋(つおきばし)。詳しい名称は知らないが、どう見ても鉄道用の構造をした橋だ。ちなみに上の地図では、右下の端(「岩田川」バス停の南)に位置している橋である。

近鉄道路から今度はフェニックス通りという道に出た。津の南北のメインストリートが国道23号なら、このフェニックス通りはさしづめ東西のメインストリートである。名前の通り、道路の中央にはフェニックスの木が植えられている。
P1450282RSS.jpg

フェニックス通り沿いの立体駐車場に車を置き、ここからは再び徒歩で散策することにした。


次回は、津の昔ながらの中心街、大門地区を歩きます。

(続く)
関連記事

Comment

早速、拝見しました。写真きれいに撮れていて良かった!完璧です。
なごのおおくす、立派やな~。きっと、Fさんも御喜びでしょう。
そして、旧伊勢電気鉄道。検索するといろいろ出てくるし、松阪の近鉄道路もあったとは…(ていうか、よく通ったことある道だった)
四日市の回も面白かったです。JRで来てたんやね。
あと、韓国の電鉄の話も知らなくって面白い話でした。
マウンテンのそばに幼稚園まで住んでいたものより

早速こちらの方にもお邪魔します。
伊勢電跡の道路、JTBの廃線本で知ってましたが
「近鉄道路」と呼ばれてるのは知りませんでした。
津と言えば、2年ほど前にうな重で有名な某店で
特盛を食べて死ぬ思いをした覚えがあります。

>Shoopandaさん
おっと、ご本人の登場ですね!あの日はありがとうございました。楽しくて印象深い一日でしたよ。
近鉄道路は私もいろいろ調べてみてビックリしました。近鉄の歴史は複雑すぎて、正直よくわからんです。
ではではまた会いましょう。いつかカエラのライブ行けるといいね(笑)

>9丁目1番地さん
ブログにもご訪問いただきありがとうございます。ぼちぼち更新しているので、ぜひまたお越しください。
近鉄道路という名前は私も初めて知りました。津の方では、ある程度の年齢以上の人なら大体通じるみたいですね。
津といえばやっぱりうなぎですよね!実は私もこの日食べてきたんですよ。次回の記事で書こうと思ってます。一度でいいから死ぬほど食べてみたいもんですよ・・・
Comment Form
公開設定

Trackback

レトロとグルメの街 津市大門(2009.11.21)

(前回からの続き) 津の昔からの中心街、大門(だいもん)にやって来た。 ここは浅草・大須と並ぶ日本三大観音のひとつ、津観音の門前町...
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。