ちょっと遠回りな東京旅行(2009.9) その15~都内あれこれ編

(前回からの続き)

2009.9.26
ちょっと遠回りな東京旅行、いよいよ最終日。
この日はまず、練馬区の下石神井(しもしゃくじい)にあるちひろ美術館にやって来た。絵本画家・いわさきちひろの美術館で、もう何年も前からずっと行きたかったところだ。

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ちひろは生涯を通じて子どもを描き続けた。透明感のある優しいタッチで描かれた子どもの表情は、一見すると純真無垢に見えるが、その裏側には何とも言えない切ないものが秘められているように見える。何というか、傷付きやすさ、はかなさのような・・・。それは、ちひろの「平和」に対する強い思いの表れではないかと思う。
1918年に生まれたちひろは、10代から20代を戦争の真っただ中で過ごし、空襲で家を焼かれた経験もあるのだという。そして、亡くなる間際までベトナム戦争に心を痛め、世界の子どもたちの平和と幸せを願いながら描き続けたのだそうだ。こうした思いが、絵の中にもにじみ出ているような気がする。
上の写真はミュージアムショップで買った絵葉書。左から順に「母の日」(1972)、「うさぎと少女」(1972)、「世界中のこどもみんなに平和としあわせを」(1970)。館内にはアトリエを再現した部屋もあり、時間を忘れて夢中になりながら見学した。

穏やかな気分で美術館を後にし、最寄り駅の上井草駅に向かった。
下石神井商店街
下石神井商店街
ちひろ美術館の西方、下石神井四丁目交差点から上井草駅に向かって伸びる商店街だが、「下石神井商店街」と名乗っているのは途中の千川通りとの交点までだけだ。街灯の下にはいわさきちひろの絵「りんごと天使」が描かれた旗が下がっている。

上井草商店街
▲下石神井商店街を南下し、千川通りとの交点を過ぎると、上井草(かみいぐさ)商店街となる。
下石神井商店街は練馬区だが、こちらは杉並区になる。上井草駅前の十字路を中心に東西南北4方向に伸びる商店街で、それぞれ「東通り」「西通り」「南通り」「北通り」と名付けられている。写真は西通りの中ほどから西を眺めたところ。いかにも東京近郊の住宅地の商店街といった感じで、穏やかでもあり賑やかでもある。
ぶらぶらと歩いていたら、名古屋城の金鯱を模したような看板を見つけた。どうやら「金鯱」という名前の床屋さんらしい。もしかして店主は名古屋人!?

ところで、写真だとわかりにくいが、こちらの商店街の街灯には、「早稲田ラグビー」と「ガンダム」をモチーフにした旗が下がっている。前者は早大ラグビー部のグラウンドがあることに由来するのだが、後者はというと・・・
サンライズ本社
ガンダムを始め数々の作品を手掛けたアニメ制作会社、サンライズの本社があるからだ。
私はアニメに関してはど素人なので、サンライズと言われてもあまりピンと来ないのだが、アニメに詳しい友人に聞いたところ、ロボットアニメ界のトヨタみたいなものらしい。うわ、それはえらいこっちゃ。

そんなわけで、上井草はガンダムの街としてPRを行っているらしく、上井草駅前にはなんとガンダムの銅像まであるのだ。さらに、上井草駅の発車メロディは「翔べ!ガンダム」になっているらしい。

ということで、さっそく西武新宿線上井草駅へ。

▲こちらがその発車メロディ(上りver.)。意外と短い。
上りホームでは曲の冒頭の部分が使われているが、下りホームはサビの部分なのだという。せっかくだから下りver.も聞いてみたかったのだが、あいにくこの駅は改札が上下別々に設置されていて行き来することができない。向かい側のホームから頑張って耳を澄まして聞いてみたのだが、あまりよく聞こえなかった。

ともあれこの上井草駅、柱や壁、天井、ベンチなどが木製で、昔ながらの雰囲気が漂う駅だ。東京23区内にもこんな駅があるのだなぁ、とちょっと感動。その上井草から普通電車で鷺ノ宮へ、そこから拝島快速とやらに乗り換え、終点の西武新宿駅にやって来た。
西武線の電車に乗るのはこれが初めてだ。黄色い車両で、外観はかつて名古屋の地下鉄東山線で走っていた黄電を彷彿させるが、内装は東山線の5000形に似ている。2008年春にデビューしたというスマイルトレイン(30000系)も見かけたが、今回は乗る機会には恵まれなかった。

西武新宿駅から大ガードをくぐり、2日前の夜にも来た思い出横丁へ。
思い出横丁
若干俗化している印象は否めないものの、それでも大都会のど真ん中でこの雰囲気は貴重だ。こんなところで一杯やってみたいものである。

そのままJR新宿駅に向かい、中央線の快速に乗って東京駅へ。東京の中央線に乗るのは久しぶりだ。前回乗ったときはオレンジ色の201系ばかりだったが、いつの間にかこんなピカピカのE233系ばかりになったなんて。

そして東京駅で、偶然こんなのを見かけた。
山手線命名100周年ラピ
山手線命名100周年記念の復刻塗装列車が走り始めたと、噂には聞いていたのだが、これがそれなのか!?これじゃ単なる広告ラッピングじゃないか。まあ、そんなもんか。

ついでに、2008年8月から変更されたという東京駅9番線の発車メロディ。
どうやら「東海へ行こう」という名前の曲らしい。初めて聞いたがなかなか気に入った。

さて、復原工事中でゴチャゴチャしている丸の内口から外に出ると、目の前にこんな光景が飛び込んできた。
東京中央郵便局
そう、旧東京中央郵便局だ。
2005年3月に来て以来、4年半ぶりだったが、こんなふうになってしまったなんて。実物を見るとますます虚しさが込み上げてくる。古いものを大事にするのは人間を大切にするのと同じと語るあの人は、うちの大学に講義に来たときにこの郵便局の件で「くそだわけ!」と嘆いていたのを思い出す。本当に、これからどうなってしまうのだろうか。

さて、ここまで来ればあとは新幹線に乗って名古屋に帰るだけなのだが、このまままっすぐ帰るのもちょっと惜しい。ということで有楽町駅まで歩き、カレーショップC&Cでちょっと遅い昼食・・・いや、ちょっと早い夕食を食べてから、京浜東北線で浜松町に向かった。

浜松町駅の小便小僧
▲浜松町といえば小便小僧。秋はハロウィンの衣装で可愛らしく。
向かい側の電車は同時にやって来た山手線。


ちょっと中途半端だが今回はここまで。次回はいよいよ本当に完結編です。お楽しみに。

(続く)
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Comment

ちひろ美術館は初めて知りましたが、印象的な絵ですね。ゆっくり眺めていると時がたつのも忘れて電車に乗り遅れそうになります(笑)ふむふむ恒例の商店街があるわけですね。大山もそうですが、東京の商店街はそこそこ新しい感じがして人通りも多いですよね。サンライズはこんなところにあるとは意外でした。秋葉原に近いところにありそうなイメージですが地域密着型企業なんでしょう。中央郵便局の工事は11月に東京に行ったときにあれって思いました。その前に何枚か写真を撮っておいて正解でした。最近の建築はやたらと上に伸ばすことを考えるから重厚感にかけると思います。大名古屋ビルと名古屋の郵便局も早めに写真を撮っておかなきゃ。

ガンダムがアニメ界のトヨタというものは奇抜な比喩ですね。 私は全く見たことがないですが'xx専用'とか'3倍はやい'とかする話を聞けばガンダム用語というものは知ることが出来ることになりました。

私も昨日いよいよセイブシンジュクセンを乗ってみました。 ホビーセンターカトーへ行くためのものであったのに,都営地下鉄に乗る方がはやかったが西武新宿船を乗ってみたくてわざわざ新井薬師前駅でおりて少し帰りました。 やはり黄色が印象的な電車ですね。

>LLPさん
スケジュールを詰めすぎて常に時間に追われる旅行でしたが、このときばかりは時が経つのを忘れていました。そんなに大きい美術館ではないですが、ぜひまた行きたいです。
そういえば名古屋の中央郵便局(駅前分室)も再開発の構想があるみたいですね。あとは大阪の中央郵便局もすでに訪問して写真も撮ったんですが、あれだけの文化財があっさりと壊されてしまうのは本当に残念です。

>Tabiperoさん
ガンダムは私もほとんど見たことがないのですが、こちらでの人気ぶりはやはり凄いものです。
西武新宿線にも乗られたんですね。新井薬師前は途中で通過したのでよく覚えていますよ。3日あまりのうちに本当にあちこちに行かれたようで…旅行記を楽しみにしています
余談ですが、京急2100形のインバータが更新されるという話は私も初めて知ってショックを受けました。韓国人までもを虜にした(?)あの名サウンドが聞けなくなるとは…
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