ちょっと遠回りな東京旅行(2009.9) その14~吉祥寺編

(前回からの続き)

前回の記事からだいぶブランクが空いてしまったが、ともあれ吉祥寺(きちじょうじ)にやって来た。
マイナーなところばかり巡っているこの旅行の中では珍しくメジャーなスポットだが、実は吉祥寺には親戚が住んでいて、そのお宅に行くのがこの旅行の本来の目的であった。本当にえらく遠回りをしてきたものである。

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▲JR吉祥寺駅(北口)。ガード下はロンロンというショッピングモールになっている。井の頭線は反対側の南口にある。

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▲北口駅前風景。
この吉祥寺という街、東京23区内にあると勘違いしている人も多い(私も最初はそう思っていた)が、実は武蔵野市という市にある。それでも23区内の主要繁華街に引けを取らないほど賑やかだ。中央線という大動脈上に位置し、さらに中央線と井の頭線によって新宿渋谷の両方に繋がっているので、これだけ条件に恵まれていれば発展しないはずがなかろう。

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▲吉祥寺駅周辺の地図(クリックすると拡大します)。

そんなわけで、吉祥寺エリアは狭い路地裏の奥にまで商店が連なっている。そして、ほとんどの通りには名前が付けられており、羅列してみると、吉祥寺大通り、サンロード、吉祥寺公園通り(東急大通り)、吉祥寺通り、平和通り、レンガ通り、ダイヤ街South zone(旧ローズナード)、ダイヤ街East zone・West zone(旧チェリーナード)、ハーモニカ横丁(ハーモニカ通り・仲見世小路・中央小路・朝日小路・のれん小路・祥和小路・武蔵通り)、元町通り、プチロード、ペニーレーン、本町新道、中道通り、昭和通り、大正通り(東急通り)、五日市街道、西一条通り、西二条通り、西三条通り、カントリー・ロード、東通り、ベルロード(吉祥寺銀座)、東一条通り、クックロード、みその通り、水門通り、パークロード、井の頭通り、パープル通り、七井橋通り、南一条通り、南二条通り、南三条通り、公園通り、末広通り、弁天通りと、おびただしい数になる。
これだけ大量の通り名が制定されている地域は他に京都ぐらいしか無いんじゃないかと思うほど、通り名というものが充実した街である。そして、それぞれの通りには違った個性がある。吉祥寺の街は道路と鉄道が入り組んでいてちょっと捉えにくいので、散策するときはぜひこの通り名を活用しよう。

本当はこれら全ての通りを踏破してみたかったのだが、時刻はもう15時半。せっかくだから残りの30分で駅周辺の郵便局にも行ってみたい。ということで、郵便局巡りと商店街巡りを同時進行しつつ、代表的な通りだけを駆け足で巡ることにした。

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▲まずは、吉祥寺駅の北口から北に伸びる吉祥寺大通り
駅前から五日市街道まで、全長300mほどの短い通りだが、大きなオフィスビルが建ち並び、まるで中規模都市の中心部のような雰囲気だ。通り沿いにはヨドバシカメラ(旧三越・大塚家具)、西友などがある。

サンロード商店街
▲続いて、吉祥寺大通りのすぐ西側を並行しているサンロード商店街
こちらも駅前から五日市街道までの300mほどの通り。北口ではここが最も人通りが多く、吉祥寺のメインストリート的存在だ。全蓋式アーケードは1971年から設置され、2004年には開閉式のタイプにリニューアルされたそうだ。昔は吉祥寺大通りが無く、この道が実質の駅前通りで、その頃はバスもこの道を走っていたようだ。
少し離れたところには伊勢丹があるが、残念ながら2010年春に撤退することが決まっているという。賑やかそうに見える吉祥寺の街にも、空洞化と不景気の波は押し寄せているようだ。

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▲吉祥寺駅の北口から西に伸びる、ダイヤ街East zone・West zone(旧チェリーナード)
駅前から吉祥寺公園通り(東急大通り)までの約180mの通りで、サンロード商店街とはL字に直交している。サンロードと比べると道幅は狭いが、東急百貨店方面へのアクセス路になっていて、こちらも人通りが多い。アーケードは2009年3月にリニューアルされたばかりでまだ新しい。

ダイヤ街商店街
▲ダイヤ街East zone・West zoneの途中から南へT字型に伸びる、ダイヤ街South zone(旧ローズナード)。こちらも2009年3月にアーケードがリニューアルされた。
ダイヤ街はもともと、東西の「チェリーナード」と南北の「ローズナード」に分かれていたが、アーケードのリニューアルを機に名称を改め、チェリーナードの東半分を「East zone」、西半分を「West zone」、そしてローズナードを「South zone」としたようだ。

ハーモニカ横丁
▲そして、知る人ぞ知る吉祥寺の名所、ハーモニカ横丁
ダイヤ街と平和通りに囲まれた一角に広がる路地群の総称で、西新宿の思い出横丁と同じく戦後の闇市に由来するそうだ。こんな大都会の駅前の一等地、再開発で真っ先に取り壊さてしまいそうだが、こうして根強く残っているのは有名店やファンが多いからだろう。
横丁内の小路には、それぞれ「仲見世小路」や「のれん小路」といった名前が付いているが、写真の路地がどれだったのかはよく覚えていない。ちょっと駆け足で巡りすぎたか。

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▲ハーモニカ横丁の南側を通る平和通り
吉祥寺駅からハーモニカ横丁に行く場合はここからアクセスすることになる。この奥にはパルコもあり、それなりに人通りは多い。大きなビルが建ち並ぶ駅前の風景とは対照的に、いかにも庶民的な雰囲気でホッとする。容積率の低利用だの何だのと言って、この貴重な景観がぶち壊されてしまわないことを祈るばかりだ。

続いて吉祥寺駅の南口へ。北口と比べると市街地面積は小さいが、井の頭線の乗り場やユザワヤ、そして井の頭公園などがあり、北口とはまた違った独特の雰囲気がある。

パークロード商店街
▲まずは、南口のすぐ前から西へ伸びているパークロード商店街へ。
この看板の賑やかさはアジア的な雑踏を感じる。こんなゴチャゴチャ感がまさに私のお気に入りだ。
ほとんど歩行者天国のような雰囲気なので、道路の真ん中で堂々と写真を撮っていたのだが、ふと振り返ると真後ろにバスがいて度肝を抜かれた。最近のバスはエンジンが静かなので全く気付かなかったのだ。せめてクラクションでも鳴らしてくれればよかったのだが・・・。

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▲パークロードのすぐ南を並行する井の頭通り。杉並区の永福町のあたりから延々と続いている道路なので知名度は高いだろう。
吉祥寺エリアの井の頭通り沿いには、丸井や無印良品、そして有名な焼き鳥のいせやなどがあり、非常に人通りが多く、写真を撮るのも一苦労だ。しかし、井の頭通りよりも南側の、井の頭公園に近い区域に入ると、途端に閑静な高級住宅街になる。そして・・・

楳図かずお邸
▲いろいろと話題になった楳図かずお邸(通称まことちゃんハウス)もこの一角にあった。確かに色遣いは奇抜だが、そこまで騒ぎ立てるほど目立っているわけでもないように見える。

ということで、吉祥寺の街歩きはここらで終了。郵便局は吉祥寺ロンロン内局吉祥寺駅前局武蔵野御殿山局の3局に立ち寄ることができた(詳しくは「まっちの街歩き」の旅行貯金のページをご覧ください)。

さて、この後は吉祥寺駅から1.5kmほど離れた親戚の家に向かって歩いたのだが、駅から500mも離れるともう閑静な住宅街。そして、駅から1km離れると、畑も点在するようなのどかなところに出てきた。

吉祥寺北町
▲こんなのどかな景色でも「武蔵野市吉祥寺北町」。駅前の賑やかさからすると嘘のようだ。

東京にはこういうところ、すなわち駅周辺への集中度合いがきわめて強いところが多い。それは鉄道を中心に街が発達したことを物語っている。
一方、相対的に自家用車への依存度が高い名古屋では、駅前だろうが郊外だろうが、都会とも田舎ともつかないようなメリハリのない景色がだらだらと続く。むしろ、広大な駐車場が確保しにくい駅前の方が寂れる傾向にある。名古屋に限らず、地方都市はどこでもそうだろう。首都圏と近畿圏だけが例外的な存在なのだ。
しかし、これからは地球環境保全の時代。自家用車から公共交通へのシフトが求められている今だからこそ、鉄道やバスの拠点を中心とした中心市街地に賑わいを取り戻さなければならないのだ。


そんなわけで吉祥寺の親戚邸に1泊。Tさんご夫妻、本当にお世話になりました。
翌朝は吉祥寺を出発し、東京の最後の一日をのんびりと楽しみます。

(続く)
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Comment

僕は吉祥寺の場所を今日初めて認識しました(笑)ゼミで一橋に行ったときに確実に通過しているはずですが、全く記憶になかったです。大手百貨店からリニューアルされた商店街、古くから続いている趣きのある商店街が共存していて面白い街ですね。まことちゃんハウスもここにあったとは知らなかった。(←最近MS IMEの代わりにGoogle日本語入力を入れているのですが"まことち"でもうまことちゃんハウスが候補で出てきたりします。)
名古屋は東京と比べるとメリハリがないですよね。他の地方都市は詳しくないですが、東海地方は製造業の街でもあり、地価も安いため高速が近くを通っている駅にはかなりの確率で工場がある気がします。するとその周りには住宅ができ、会社やお店ができるため、もともとあった田畑とあわせてゴチャゴチャ感たっぷりになるんでしょうね。東京だと地価が高いから駅近くには住宅が建たず商業施設が集中するのでしょう。たぶん。。
次回はいよいよ最終回ですね。衝撃的なラストを楽しみにしております(笑)

そうなんです、一口に吉祥寺と言ってもエリアごとにすごく個性が豊かなんですよ。
今回は時間の都合で行かなかったのですが、東急の西側のいわゆる東急裏と呼ばれるエリアは、お洒落なカフェや雑貨屋さんなんかが建ち並んで、最近若い女性に特に人気なんだそうです。その一方で、吉祥寺大通りよりも東側はバーやスナックの多い歓楽街になっていました。
ただ、ハーモニカ横丁に若干空店舗が目立ったのがちょっと気がかりです。
確かに東海地方は製造業ベースというのが大きな特徴ですね。駅と工場を結ぶ動線に沿って発達した商店街もいくつかあります(著名な例が円頓寺)。名古屋に関しては、土地に余裕があるというのも一つの要因でしょう。
ラストの一日は、個人的にはすごく印象に残っているのですが、ブログ的にはどうなるか…。まあご期待ください(笑)
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