大晦日の大阪街歩き・近鉄乗り倒しツアー【後編】ローカル線の旅

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 ▲近鉄南大阪線・道明寺駅前で。小さな駅だと思っていたら、意外にも賑やかな商店街があった。

2013年大晦日の日帰り大阪旅。難波から日本橋、新世界を歩いた後は、近鉄のもう一つのターミナル駅、あべの橋(大阪阿部野橋駅)にやって来た。
近鉄というと、難波・上本町から名古屋・伊勢方面に向かう大阪線のイメージが強いが、そのわずか数km南側を南大阪線という地味な路線が並行している。特急街道である大阪線とは対照的に、古墳が密集する南河内ののどかな住宅街から飛鳥・吉野方面に向かってのんびりと走る、なんだかマイペースな路線である。何度か乗ったことはあるが、もう10年以上も前のことで、すっかり記憶も薄れていた。
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 ▲昨日オープンしたばかりの日本一の超高層ビル、あべのハルカス(撮影当時建設中)。
実はここが南大阪線の終着駅、大阪阿部野橋駅である。

ということで、まずはこの大阪阿部野橋駅から14時04分発の準急河内長野行き(6413系Mi17+6407系Mi07、計4両)に乗車。意外と混んでいたが、1つ目の河内松原駅と2つ目の藤井寺駅でどっと降りて行き、早くも空席が目立つようになってきた。

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 ▲すっかり車内が空いてきたところで、14時22分、道明寺駅に到着。
南大阪線と道明寺線が分岐する乗換駅だが、準急しか停まらず、また道明寺線自体がかなりのマイナー路線なので、南大阪線の中では比較的小規模な駅である。ここで道明寺線に乗り換える予定だったが、20分ほど待ち時間があるので、少しだけ駅前を散策してみることに。

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 ▲駅前には「道明寺商店会」というささやかな商店街があった。
目立たないところに簡素なアーチの入口があり、名鉄扶桑駅前にある「文化の小径」を彷彿させる。

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 ▲道明寺商店会。奥に進んでみると、意外と人通りも多く賑やかだった。
ただ、やたらお年寄りが多い。しかも演歌が流れているのがたまらない。何となく雰囲気がお千代保稲荷の参道に似ているが、道明寺・道明寺天満宮への参道という位置付けが同じだからだろうか。この日は大晦日だし、年越しはきっと初詣客で賑わったことだろう。それでいて、通り沿いにはちょっとした食品スーパーもあり、近隣型商店街として地元の人々にも親しまれていることが分かる。

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 ▲道明寺駅に戻り、14時44分発の道明寺線・柏原行き(6422系Mi23、2両)に乗車。

道明寺線は、道明寺・柏原南口・柏原の3駅のみからなるミニ路線で、昼間はワンマン列車が単線の線路を30分間隔で往復しているだけ。そんなマイナーな路線だが、実は近鉄で最も歴史の古い区間(の一部)にあたるらしい。何だか名鉄尾西線に似ている。

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 ▲14時46分、わずか2分で次の柏原南口駅に到着。
大和川の堤防上に建てられた、片面ホームのみの簡素な駅。大阪府内の近鉄の駅の中では利用者数が最下位らしい。
こんなローカル線でも大晦日から元旦にかけては終夜運転が行われるらしく、構内には臨時時刻表が掲出してあった。道明寺・道明寺天満宮への参拝客が乗るのだろうか?

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 ▲この柏原南口駅からは大阪線の安堂駅が近く、徒歩約8分。構内には案内図も設置されている。
こうして見ると単純な道のりに見えるが、堤防に上がったり横断歩道を渡ったりと、意外と迷いやすい。確か15年ほど前にも一度、ここ柏原南口駅で降りて安堂駅まで歩いたことがあるのだが、JR関西線の線路沿いあたりで迷ってしまい、通行人に尋ねた記憶がある。
今回もまたリビエールホールのあたりで迷いかけたが、無事に安堂駅に到着。前回来たときは構内踏切のある小さな駅だったが、いつの間にか立派な橋上駅舎に生まれ変わっていた。

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 ▲安堂駅から15時04分発の区間準急榛原行き(2410系W29+1422系VW26、計6両)に乗車。

15時06分、次の河内国分駅で下車。ここで15時10分発の急行青山町行き(1620系VF41、6両)に乗り換え、15時26分、大和八木駅に到着。大阪線と橿原線が十字に立体交差する、近鉄有数のジャンクションである。

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 ▲大和八木駅で。奥に見えるのが、ここまで乗ってきた急行青山町行き。

階段を下りて橿原線の乗り場に向かい、15時31分発の各駅停車・大和西大寺行き(1026系VL32、4両)に乗る。この橿原線も以前は頻繁に乗ったものだが、今回はかなり久し振り。全てが懐かしく感じる。

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 ▲15時37分、3つ目の田原本駅に到着。最近建て替えられたのか、すっきりと新しい駅舎だ。

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 ▲そして、田原本駅の真正面、西に80mほどのところには、田原本線の西田原本駅がある。
同じ近鉄の駅なのに、ロータリーを挟んで向かい合っており、中途半端に離れているのが不思議だ。

この西田原本駅から出ている田原本線は、路線図で見ると分かる通り、他の近鉄の路線と全く接続していない孤立路線である。同様の例は名鉄瀬戸線や東武東上線などがあり珍しくはないのだが、ここはちょっと変わっていて、両端ともあと少しで接続できそうな位置で止まっているのだ。東の終点の西田原本駅は、橿原線の田原本駅の目の前にあり、西の終点の新王寺駅も、生駒線の王寺駅の目の前にある。さらに、田原本駅付近では線路も繋がっているのだが、回送列車が行き来するだけで、ここを直通する旅客列車は設定されていない。
こんな中途半端な状態になった理由は、1964年まで近鉄とは別の鉄道会社だった歴史によるものだ。とは言え、ここまで近接しているのなら、いっそ統合してしまえばとも思うのだが…。

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 ▲田原本駅前の商店街。この街の中心街は、田原本駅の西側ではなく東側にある。
こぢんまりとした良い雰囲気の街で、じっくり散策してみたい気もするが、時間の都合で今回はパス。

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 ▲さて、西田原本駅に15時55分発の新王寺行き(8400系B09、3両)が到着。
折り返しではなく、回送列車として西田原本駅にやって来て新王寺行きに変わったので、ひょっとしたら前述の連絡線を経由して大和西大寺方面から来たのかもしれない。

新王寺行きの列車は、西田原本駅でわずかばかりの乗客を乗せ、静かに発車した。西田原本駅を出るとほどなく橿原線の線路と繋がる連絡線があり、続いて左にカーブして橿原線から離れる。のどかな奈良盆地の農村集落の中をのんびりと走る単線のローカル線だ。ただ、終点の1つ手前の大輪田駅だけは賑やかなニュータウンの中にあり、乗り降りも多かった。

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 ▲16時14分、混んできたところで終点の新王寺駅に到着。下車客のほとんどがJRに乗り換えるようだ。

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 ▲生駒線の王寺駅。新王寺駅よりこちらの方が規模が大きく、利用者も多いようだ。
田原本線の新王寺駅、生駒線の王寺駅とも、JRの王寺駅の脇にちょこんとへばり付いた形態をしている。なのに田原本線だけが「新王寺駅」を名乗っているのも不思議な感じだ。

さて、ここ王寺は、JR関西線・和歌山線、近鉄田原本線・生駒線が集結する交通の要衝。駅周辺は4年前に少しだけ散策したことがあるが、乗換客も多く、人口2万人の町とは思えないほど賑わっている。

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 ▲王寺駅から16時27分発の生駒行き(1020系VL22、4両)に乗車。
生駒線も田原本線と同じく単線のローカル線だが、沿線は宅地化が進み、利用者は圧倒的にこちらの方が多そうだ。

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 ▲菜畑駅付近から望む生駒山。あの山の向こう側が大阪府だ。

ということで16時51分、終点の生駒駅に到着。ここで慌ただしく奈良線に乗り換え、16時57分発の区間準急難波行き(1233系VE39+8000系L90、計6両)に乗車。先ほどまでのローカル線とは対照的に、本数も利用者も多い近鉄屈指の主要幹線だ。

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 ▲奈良県と大阪府を結ぶ生駒トンネルを颯爽と抜け、17時08分、2つ目の額田駅で下車。

この付近の奈良線は、生駒山の中腹を走るためにとても眺めが良く、特に夜景は素晴らしいと評判だ。そこで今回は、この夜景をじっくり見るために途中下車し、近くにある枚岡公園というところまで行ってみた。

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 ▲額田駅から上り坂を20分ほど歩き、枚岡公園・中展望台(標高約190m)へ。
左下の方を近鉄奈良線の電車が走っているのが見える。この日の昼間に訪れたあべのハルカスや通天閣も遠くに見える。この枚岡公園からの眺めは、前々回の記事“「山」から望む名古屋・大阪の夜景シリーズ”でも詳しく紹介しているのでどうぞ。

大晦日の大阪街歩き・近鉄乗り倒しツアーはこれで終わり。額田駅から18時26分発の各駅停車尼崎行き(9020系EE27)で、18時49分に鶴橋駅到着。さらに鶴橋駅から19時06分発の特急アーバンライナー名古屋行き(UL05+UB03、計8両)で、21時10分に終点の近鉄名古屋駅に到着した。
そして、自宅に帰り着いたのは22時ごろ。紅白を見て、年越し蕎麦を食べて、2時間後にはもう2014年を迎えておりました。個性豊かな近鉄のローカル線を心ゆくまで乗り倒して、大満足の一日でした。
(完)
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Comment

またまた失礼します。
前回記事にされていた弥刀ですが、今週仕事で久宝寺に行く用事ができたので、ちょっとだけ歩いてみました。
カバンにデジカメを忍ばせて(笑)
時間があまり取れず駅のすぐ近くしか歩けませんでしたが、それでも満足できましたよ。
かなちゃん通り、短いですが素晴らしいアーケードでした。

それと、田原本駅って改築されてたんですか…!
妄想中の「近鉄の駅舎めぐり」では候補地のひとつだったんですが…。うーん、残念。
道明寺もいい雰囲気ですね。候補地に入れさせて頂きました。

>ねじまきさん

さっそく弥刀に行かれたんですね!
忙しい合間を縫って訪問されるとはさすがです。かなちゃん通り、本当に素敵ですよね…。

田原本駅、どうやら私が降りた西口駅舎は、元からある東口とは別に新設されたもののようです。
これが無かった頃は、田原本線との乗り換えが本当に煩わしかったことでしょうね。
道明寺はただ乗り換えるだけのつもりで、時間があったので少し散策してみただけですが、あんなに賑やかな商店街があるとは嬉しい誤算でした。
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