心温まるのどかな城下町・丹波篠山と、ちょっとだけ大阪鶴橋

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 ▲篠山城下の北東端、城北口の界隈で。尊宝寺の門前に架かる赤い欄干の橋は、その名も門前橋。

今から約2ヶ月前、ゴールデンウィーク初日の5月3日。この日は友人N氏とともに兵庫県内陸部の城下町、丹波篠山(たんばささやま)に行ってきた。
関西圏以外では、観光地としての知名度はさほど高くはないが、連休ということもあって街中は大賑わい。街の雰囲気を壊さずに、観光客の心をぐっと掴む工夫があちこちに施されている、そんな街だった。滋賀県の近江八幡や長浜、彦根にしてもそうだが、関西の街は観光客を呼び込むまちづくりがつくづく上手いと感じる。
さて、まずは自宅からクルマで岐阜羽島駅へ。そこから新幹線こだま号で新大阪へ、さらに普通電車と丹波路快速を乗り継ぎ、目的地である篠山口(ささやまぐち)駅にはトータル3時間半ほどで到着した。

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 ▲JR福知山線(宝塚線)篠山口駅。大阪から1時間ちょっとの距離にある。
「口」と付いているように、ここは旧篠山町域ではなく、篠山の中心街までは5kmほど離れている。

連休初日ということもあり、新幹線はびっしり通路まで満員だったが、これは想定内。一方、大阪駅以降は早めに並んでいたので座っていくことが出来た。この丹波路快速、意外なほど混んでいて、新三田以降の閑散区間も立ち客がいた。電車で訪問される場合はご注意を。

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 ▲改札口を出ると、デカンショ祭のキャラクター、丹波の黒豆の「デカボー」が迎えてくれた。
手の甲に触れるとデカンショ節が流れるのだが、音質が悪すぎて何が鳴っているのかさっぱり分からないのがちょっと残念。篠山市さん、ちゃんとメンテしてあげてください。

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 ▲篠山口駅東口の弁天地区には、ちょっとした商店街がある。
ここは本来の篠山の街ではなく、旧丹南町の中心地にあたる。観光地という感じではないが、ひなびた雰囲気がまたいい。

篠山口駅から篠山の中心街へはバスも出ているが、ここはあえてレンタサイクルを借りることにした。その方が、現地に着いてからあちこち回るのにも便利だからだ。実際、篠山の市街地は城跡を中心に広がっていて、端から端まで歩くとなるとけっこうしんどい。

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 ▲平坦な田舎道をのんびり走ると、20分ほどで篠山の中心街にたどり着いた。
旧京街道(山陰道)に沿って走っていると、茅葺き屋根のお屋敷や、妻入りの武家屋敷が何気なく点在しているのに気が付く。程良くひなびた城下町といった感じだ。それでは、ここから篠山城跡の周りを時計回りに一周することにしよう。

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 ▲最初にやって来たのは、篠山観光の拠点、大正ロマン館
1922年に建てられたこの洋館は、1992年まで篠山町役場として使われていたもので、現在は観光案内所や土産物屋、飲食店などが入っている。ここでお土産をいろいろと物色。

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 ▲続いて、篠山城跡の北側を東西に貫く上二階町商店街(にかいまち青山通り)へ。
この商店街を中心とする、魚屋町から二階町、呉服町にかけて一直線に延びる通りが篠山のメインストリートだ。街並みを写すため、写真はある程度人通りが途切れたところを撮影しているのだが、それでもとにかく賑やかだ。観光客も老若男女、年齢層は幅広い。正直ここまで賑やかな街だとは思わなかった。

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 ▲そんな上二階町商店街にある「角清」さんで、お昼をいただく。
地元の常連さん向けの昔ながらの寿司屋だが、観光客向けのセットメニューも充実している模様。注文したのは「箱寿司セット」。関西ではお馴染みの箱寿司に、うどんととろろ、そして丹波の黒豆が付いている。こうやって旅先で土地の名物を食べるのはちょっとした幸せ。素朴な味わい、美味しかったです。ごちそうさま!

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 ▲続いては、篠山城跡の南東に位置する「河原町(かわらまち)妻入商家群」へ。
旧京街道(山陰道)に沿って妻入りの町家が建ち並ぶこの場所は、かつて篠山の商業の中心として栄えたところ。観光地化され過ぎず、気取らない街並みに好感が持てる。

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 ▲河原町の一角に、これでもかと言うほど豪華なうだつの、ユニークなデザインの町家があった。
どうやらかつては旅館を営んでいたようだ。隣が空き地になってしまっているのがちょっと残念。

この後は、河原町の隣の小川町にある、「白殻五粉(しろからごふん)」という天然酵母パンのお店で、名物「もっちもちブール」を購入。篠山城跡から歩いて5分ほどのところにあり、店名は「城から5分」と掛けているのだろう。

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 ▲小川町から西に進み、武家屋敷が建ち並ぶ篠山城跡のお堀沿いへ。
カメラを向けていたら、通り掛かった地元の子どもたちが微笑みながら手を振ってくれた。

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 ▲こちらは篠山城跡の西側を南北に貫く、お徒士町(おかちまち)通り武家屋敷群
地名が示しているように、かつてお徒士衆(藩主の警護役)が住んでいたところだ。安間(あんま)家史料館を始め、茅葺屋根の武家屋敷が10棟ほど残っている。景観保護のため、通り沿いの変電所の壁にもなまこ壁の模様が施されていた。

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 ▲そして、篠山藩主・青山家の別邸として建てられた青山歴史村へ。
建物に囲まれた中庭のようなところに無造作に史料が展示され、展示室内には貴重な漢学書の版木が、これまた単なる壁のように無造作に敷き詰められている。その素朴さがまたいい。そんな青山歴史村で特に気になったのが、室町時代に描かれた「鼠草紙絵巻」という絵巻物。以下のようなストーリーの物語で、擬人化されたイラストが可愛らしかった。

主人公は権頭(ごんのかみ)という100歳のねずみ。人間の姫君を嫁にもらい幸せに暮らしていたのだが、やがてその正体を知った姫君は権頭のもとから逃げてしまい、ねずみを捕まえるのがうまい猫とともに、新しい夫と一緒に暮らし始める。悲しみにくれた権頭は、「ねん阿弥(あみ)」と名乗って仏門に入る決心をし、高野山に向かう。途中、年老いた猫に出会い、危険を感じて逃げようとするが、猫はそれを見て悲しむ。「猫の御坊(ごぼう)」と名乗る彼もまた、妻と別れて出家した身だったのだ。こうして、意気投合したねん阿弥と猫の御坊は仲良く高野山の奥の院を目指したんだとか。

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 ▲最後に、篠山の街の中央にそびえる篠山城跡へ。
1609年に徳川家康の命により、西国大名を牽制するために築かれた平山城で、築城の名手・藤堂高虎が縄張を担当したという。お堀と石垣しか残っていない寂しいお城だったが、1944年に焼失した大書院が2000年に復元され、ちょっとした見どころとなっている。
また、以前はお堀の中に小中学校と幼稚園があったが、2004年に中学校は移転し、跡地は駐車場になっている。

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 ▲篠山城跡天守台からの眺め。見晴らしが良くて気持ちいい。
中央には高城山(丹波富士)が、その左下には先ほど訪れた河原町妻入商家群が小さく見える。

ここらで篠山の街歩きはおしまい。ちなみに篠山の街の様子は、先日更新した“まっちの街歩き”ホームページで紹介しているので、後ほどごゆっくりとご覧ください。

それでは篠山口駅に戻ってレンタサイクルを返却し、丹波路快速で再び大阪市内に戻ろう。

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 ▲丹波路快速の車窓から。草野駅から三田駅あたりまで、東の空に綺麗な虹が見えた。
さらに、途中の一部区間では二重の虹に。うっとり癒されつつ、篠山で買った黒豆パンをいただく。

さて、この後は近鉄で帰宅するN氏を見送るため、大阪駅で大阪環状線に乗り換えて鶴橋にやって来た。この鶴橋という駅、JRと近鉄の乗り換えにほぼ特化したような駅で、乗換専用改札は非常に広くて充実しているが、駅の外に出る改札は申し訳程度の大きさしかない。

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 ▲その改札を出た、鶴橋駅西口の駅前風景。
とてもターミナル駅の駅前とは思えない。何度来てもこのディープな雰囲気がたまらない。以前はよく来たものだが、2009年の夏以来、約4年ぶりの訪問となる。

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 ▲そうかと思えば、駅構内から直接アクセスできるBOOK OFF専用改札口なんていうのもある。
岐阜駅にも「アクティブG専用改札口」という小さな改札口があるが、こちらはもっと凄い。もう、何でもアリの街だ。

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 ▲こちらは、鶴橋駅の東側に縦横無尽に延びる鶴橋商店街振興組合(通称つるしん)。
時間が時間だけにどのお店も閉店していたが、ここはまさに日本の中の韓国。さらに南に進むと、4年前に訪れた生野コリアタウンがある。

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 ▲鶴橋駅西口からまっすぐ進むと、鶴橋名物・焼肉本通りがある。
狭い一角に焼肉店が数十軒も密集している光景は壮観。この一角があるおかげで、鶴橋駅に停まる電車は扉が開いた瞬間に焼肉のにおいが車内に充満するほどだ。
この中の1軒、以前にも来たことのある「大邱家」さんで、焼肉と韓国料理を腹一杯いただきました。ごちそうさま!

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ということで、連休初日のちょっとした日帰り旅はこれで終わり。この後は大阪駅・新大阪駅経由で、最終の新幹線に乗って帰ってきた。
かつては頻繁に訪れていた関西圏、最近はいつも素通りばかりしていたが、たまに訪れると「帰ってきたなあ」と思わせる、個人的にはそんな温かな懐かしさに満ちたエリアだ。またふらっと訪れることにしよう。
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Comment

こんばんは。
篠山は未訪問です。たぶん駅から遠いのがネックなんだろうと思いますね。
町並みは初めてちゃんと見ましたが、確かに雰囲気を壊さずに整備されていて好感が持てます。
愛知から日帰り可能ということは、大阪の我が家からは余裕で日帰り圏内ですね(笑)

>ねじまきさん

駅から遠い分、かえって街の保存状態が良いのかな、という気もしました。
実際、篠山口駅の西口あたりは宅地開発が行われていて、もはやニュータウンのようです。ちょっと頑張れば大阪の通勤圏ですからね。
そんなわけで、大阪からなら本当に手軽に行けると思います。ぜひ一度どうぞ。
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