【瀬戸内国際芸術祭の旅・3】朝日の瀬戸内海から、芸術の島・直島へ

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 ▲直島の宮浦(みやのうら)集落。離島らしくない、意外と開けた印象の島だった。

前回から続く、2013年春の瀬戸内国際芸術祭シリーズ。
2日目となるこの日は、なんと早朝5時に起床。普通の旅ならこんなに早起きすることはないのだが、今回は交通手段が限られる離島の旅。少しでも時間を有効に使うための工夫だ。
まずは、ホテルから徒歩ですぐのところにある高松港へ…。
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 ▲あけぼのの空が美しい、早朝の高松港で。
手前には大巻伸嗣氏の「Liminal Air -core-」という作品、そして右奥には高松のシンボルともいうべき台形の山、屋島が見える。

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 ▲そして、高松港5時40分発の四国フェリーに乗船。向かう先は、岡山県の宇野港だ。
前日に乗った男木島行きとはちょっと離れたところから発着するため、危うく乗り遅れるところだった。本州と四国を直結するメイン航路だけあって船体は大きく、また時間が時間だけに乗客は大型車のドライバーばかりだ。
船内では、勇ましいメロディとともに案内放送が流れ始めた。このメロディは四国フェリーの社歌。船旅ならではの旅情を感じさせる。

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 ▲高松の街並みと赤灯台(せとしるべ)が徐々に遠ざかってゆく。さらば四国、また来る日まで。

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 ▲女木島付近からは、高松市西部(香西・鬼無方面)の街並みが見えた。
綺麗な円錐形の山々が連なる、香川県ならではの風景だ。

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 ▲やがて、庵治半島と屋島の間から朝日が昇り始めた。
心配していた低気圧はもう完全に過ぎ去ったようだ。澱んだ空気を強風が押し流してくれたようで、空がとても綺麗に澄んでいる。

そして、高松から1時間少々で、岡山県玉野市の宇野港に到着した。時刻はまだ6時45分。
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 ▲早朝の宇野の街。写真は、港の正面から北に向かって延びる商店街だ。
今では薄ら寂しい港町といった風情だが、ここは四国から本州への玄関口であり、瀬戸大橋が開通する前は非常に賑やかだったようだ。かつてはこの近くに全蓋式アーケードの商店街もあったという。そんな時代に歩いてみたかった。

さて、すぐに宇野港に戻り、慌ただしくも30分後に出発する次の船に乗り換える。
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 ▲次に乗ったのは、宇野港7時20分発の直島(なおしま)行きフェリーだ。
高松港からも直島への直行便が出ているのだが、第1便に乗っても直島着が9時過ぎとなり、次の船への接続が厳しくなるため、今回は一旦本州に戻る形をとったのだ。まるで綱渡りのような見事なスケジュールを組んでくださったみるくさんに感謝。

ともあれ、宇野港から直島の宮浦(みやのうら)港へは、わずか20分ほどで到着。
ここ直島は香川県に属する島だが、地図で見ると「なぜここが香川県なのか」と首をかしげたくなるほど本州から目と鼻の先にある。実際、島民の暮らしは香川県よりも岡山県との結びつきの方が強いようだ。
この日は月曜日。直島のアート関連の施設は全て月曜休みとのことだったが、それでも見どころはいくらでもあるだろう。

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 ▲まずは直島の宮浦港緑地にある、草間彌生氏による「赤かぼちゃ」。
草間氏らしいどぎつい配色も、今や直島のシンボルともいうべき有名な存在となったようだ。右奥には、綺麗な円錐形の大槌島も見える。

この宮浦港からすぐに町営バスに乗り、島の反対側に位置する本村(ほんむら)港にやって来た。ちなみにこの町営バス、意外なことに日中でも30分おきくらいに運行されている。辺鄙とか不便というイメージとはほど遠い、開けた印象の島だ。そもそも直島は、他の島々と違って「直島町」という独立した町で、大企業の巨大な工場も立地しており、過疎化の度合いも比較的緩やかなのだという。

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 ▲直島の東部に位置する本村地区。こんな全蓋式アーケード(と呼べるかどうか微妙だが)もある。

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 ▲本村港の150mほど沖合には、向島という小さな島がある。数軒の民家がある有人島だ。
その名の通り直島とは向かい合っていて、泳いで渡れそうな距離だが、定期船や橋などは無い。

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 ▲本村地区のメインストリート、波止丁(はとちょう)の通り。
本村地区にはこの他に、東丁(ひがしちょう)、中筋丁(なかすじちょう)、戎丁(えびすちょう)、加茂丁(かもちょう)、西丁(にしちょう)、石場丁(いしばちょう)などの通り名がある。もともと城下町だったようで、こういう細かい地名があるのも頷ける。

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 ▲路地の入口には、通り名を表すちょっと洒落た表示板が設置されている。

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 ▲こちらは戎丁(えびすちょう)の筋。
「にゃおしま」という可愛らしい名前のキャットカフェがあるが、今日は定休日。

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 ▲「にゃおしま」の塀の上で日なたぼっこする白猫さん。

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 ▲戎丁の1本西を並行する加茂丁(かもちょう)の筋。
こんな路地が碁盤の目のように通っている。城下町であり漁村でもある、同じ香川県の引田(ひけた)の街を彷彿させた。

さて、当初はここから歩いて宮浦地区まで戻る予定だったのだが、2km以上あって意外と時間が掛かりそうなので、再び町営バスに乗ることに。
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 ▲役場前から8時28分発の町営バスに乗り、宮浦港の手前にある東宮ノ浦で下車。
このバス、なんとまさかの満員。こんなのどかな離島で立席乗車することになるとは。それも、観光客の姿はあまり見当たらず、ほとんどが地元の人らしき姿ばかり。よくよく考えたらこの日は平日で、しかも朝のラッシュの時間帯だ。大半は、前述の巨大な工場に向かう通勤客だろう。

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 ▲そして、バス停の前には島で唯一のコンビニ、セブンイレブンなおしま店がある。
店内は驚くほど普通の、どこにでもあるようなセブンイレブンだった。おでんやホットスナックも売っているし、ATMもある。ただ、さすがに24時間営業ではないようだが、6時半から22時まで営業しているだけでも大したものだ。

では、船の出発までもう少しだけ宮浦地区を散策してみよう。
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 ▲宮浦地区の街並み。離島というよりは、どこか内陸部の田舎町に来たような雰囲気だ。
もともとは本村地区が島の中心だったようだが、宮浦港の方が船の便数が多いためか、現在はこちらの方がお店も多くて栄えている。

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 ▲宮浦の集落を歩いていたら、昔ながらの街並みの中にひときわ目を引く謎の建物があった。
大竹伸朗氏による、直島銭湯「I♥湯」だ。実際に入浴もできる銭湯とのことで、ちょっと気にはなるが、時間の都合で今回はパス。中は一体どんなふうになっているのだろう…。

最後に、集落のはずれにある宮ノ浦郵便局に行き、9時の開局を待って100円貯金。それが終わるとすぐにダッシュで宮浦港に戻り、9時20分発の犬島行き高速艇に乗船。ちょっと慌ただしいが、これで直島とはお別れだ。短い滞在だったので、またじっくりと訪れてみたい。

ということで、この次は岡山沖に浮かぶ犬島(いぬじま)を訪れます。
(続く)
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Comment

本当に興味深い島旅行ですね。 瀬戸内は島があちこち多くて韓国の南海と似ているように見えます。 船上での日の出も忘れることのできない思い出がよかったと思ってよ。 わずか先週に行ってきた高松も見覚えがありますね。 やはり円錐形の山々が私も記憶に残ります。

この程にはいろいろ理由があるが当日に飛行機チケットを買って行ってきたことなので、もう少し前に計画があったとすればmatch345あなたに助言を受けることもできたと思いますが。

JR四国ホームページなどでも瀬戸内国際芸術祭を大々的に広告を出していましたが惜しくも私が行った時は期間中ではありませんでした。

>Tabiperoさん

これだけ多くの島を一度に巡ったのは私も初めてです。のんびり癒された2日間でした。
そして、船上での日の出といえば、関釜フェリーで釜山に渡ったときのことを思い出します。
http://match345.blog28.fc2.com/blog-entry-42.html

それにしても、いつの間にか高松にいらしていたようで驚きました。
芸術祭の春会期は4月21日で終わったようで、次回は7月20日にまた夏会期が始まるようです。
この地域では本当に一大イベントのようで、普段は観光客も来ないような小さな島にも、外国人を含む多くの観光客がたくさん訪れていましたよ。
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