雪の南信州紀行・2―格調高い伝統の残る宿場町 中山道・妻籠宿

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 ▲さらさらの粉雪が舞う中山道・妻籠(つまご)宿
白川郷や京都産寧坂などとともに、重要伝統的建造物群保存地区に初めて選定された場所の一つでもある。

2013年正月の南信州旅行。前回の記事で紹介した中山道馬籠(まごめ)宿に続いて、今回は隣の妻籠宿にやって来た。
妻籠宿は、中山道六十九次のうち江戸側から数えて42番目の宿場町。馬籠とともに有名な観光地だが、やはり訪れるのは今回が初めてだ。妻籠の宿場は馬籠より若干規模が大きく、北側から順に恋野、下町、中町、上町、寺下、尾又と町内が続いている。そしてこれらは、各地区ごとに景観が少しずつ違っているという。
では、まずは最北端の恋野地区から順に歩いてみよう。
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 ▲恋野(こいの)の街並み。このあたりは宿場の外れに位置するため、観光客の姿もまばらだ。
「恋野」という地名は、木曽義昌(1540-1595)が妻籠城を築いた頃、この付近で武将たちが恋の物語をささやいていたという伝説から名付けられたのだという。何ともロマンチックな伝説であるが、この近くには鯉ヶ岩という巨大な岩もあり、「恋」ではなく「鯉」とも何らかの関係があるのだろう。

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 ▲平坦な地形の妻籠宿だが、恋野から下町にかけては急な下り坂になっている。
ここは宿場の入口にあたり、右手にはやはり高札場が復原されている。

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 ▲こちらは下町(しもまち)。穏やかな街並みだ。

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 ▲一歩奥に入るとこんな路地が。木曽の伝統工芸品、お六ぐしを売る店が見える。

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 ▲このあたりから先は中町(なかまち)となる。
中町はその名の通り、本陣、脇本陣などが立地する宿場の中枢的な場所。うだつの上がる立派な建物が見られる。

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 ▲中町にある、1995年に復原された妻籠宿本陣資料館に立ち寄ってみた。
さすがは本陣だけあって、かなり広い敷地を持つ建物だ。妻籠宿の本陣は代々島崎家が務めていたようで、ここは島崎藤村の母の生家でもある。

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 ▲本陣を過ぎると上町(かんまち)となる。
右手前に見える建物は、郵便史料館も併設する妻籠郵便局。ここは島崎藤村の「夜明け前」にも登場する。これはぜひ開いている日に来てみたかった。
そして、郵便局の前に立っている黒い箱は「書状集箱」。飾りではなく、実際に郵便ポストとして機能している箱だ。妻籠宿内に設置されたポストは、景観保護のため全てこのタイプになっているのだという。丸型ポストもレトロだが、こちらはさらに時代を通り越して、まるで時代劇のようだ。

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 ▲上町の街並み。正面の突き当たりのところが「枡形」で、街道はクランク状にカーブしている。

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 ▲上町と寺下の間に設けられた枡形の付近で。ここだけちょっと雰囲気が違う。

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 ▲枡形を過ぎると、しばらく一段低いところを歩くようになる。
中央に見える「松代屋」さんは1804年創業の妻籠宿で最も長く続く旅籠。勝新太郎主演の映画「座頭市」の撮影にも使われたんだとか。

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 ▲さらに進むと、妻籠宿の街並み保存の中心となった、寺下(てらした)地区へ。
このあたりは、宿場町でありながら光徳寺の門前町でもあり、独特の風情が残る。

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 ▲民家の軒下にはつるし柿。この季節ならではの光景だ。

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 ▲寺下を過ぎると、尾又(おまた)と呼ばれる地区に至る。
ここはもう宿場の街外れ。飯田に至る伊那街道が中山道から分岐していたことからその名が付いたようだ。雪の宿場町というのも風情があって良いものだが、ちょっと降り方が激しくなってきたので、しばらく民家の軒先で休憩。

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 ▲尾又地区の外れでこんな建物を発見。どうやら関西電力の妻籠発電所のようだ。

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 ▲最後に、寺下の下嵯峨屋から国道256号に抜ける路地で。
じっくり歩いてみると、妻籠は本当に絵になる風景が多い。観光客が少ない年始早々だからこそ、じっくり散策を楽しむことが出来て良かった。

ということで、妻籠宿の散策はこれで終わり。
この後は、国道19号経由で再び中津川に戻り、そこから雪の中央道をひた走り、この日の最終目的地である上伊那郡辰野町にやって来た。ここで里帰り中のみるくさんと合流して、辰野町の北部に位置する横川地区へ。

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 ▲横川地区はこんなところ(写真は翌朝撮影)。のどかな山里の風景だ。

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 ▲そして、妻籠宿からおよそ2時間でこの日の宿所「グリーンビレッジ横川 かやぶきの館」に到着。
高さ13mの日本一のかやぶき屋根と、薬草・ハーブのお風呂が自慢のお宿だ。正月で混み合う中、みるくさんが急遽予約してくださったのだ。みるくさん、その節はありがとうございました。

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 ▲客室からの眺め。標高876mということで、結構な積雪。

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 ▲楽しみにしていた夕食と、地酒の熱燗。ちょっと贅沢なひとときを…
写真には写っていないが、これらに加えて霜降信州牛炭火焼に朝採れ蒸し野菜などなど、本当に充実したお料理でした。ごちそうさまでした!

そんなわけで、南信州旅行の一日目はこれで終わり。
ゆっくりと旅の疲れを癒したところで、翌日は新年初の郵便局めぐりを楽しみつつ、伊那谷の小都市をめぐりながらのんびりと南下していきます。
(続く)


【おまけ】今までに訪れた中山道の宿場町シリーズ
 ・大宮(埼玉県さいたま市大宮区)→ちょっと遠回りな東京旅行(2009.9) その8~大宮編
 ・高崎(群馬県高崎市)→ちょっと遠回りな東京旅行(2009.9) その7~高崎編
 ・坂本(群馬県安中市)→ちょっと遠回りな東京旅行(2009.9) その6~横川編
 ・奈良井(長野県塩尻市)→秋の木曽路で街歩き―日本一の宿場町・奈良井宿篇
 ・妻籠(長野県木曽郡南木曽町)→雪の南信州紀行・2―格調高い伝統の残る宿場町 中山道・妻籠宿
 ・馬籠(岐阜県中津川市)→雪の南信州紀行・1―坂のある素朴な宿場町 中山道・馬籠宿
 ・中津川(岐阜県中津川市)→秋の木曽路で街歩き―中津川の商店街めぐり篇
 ・鵜沼(岐阜県各務原市)→春の夕暮れ、宿場町へ―中山道・鵜沼宿
 ・垂井(岐阜県不破郡垂井町)→目立たないけどスゴい町!岐阜県垂井町を訪ねて
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Comment

雪の舞う妻籠宿、とても画になる風景ですね。
妻籠と馬籠を比べた時、個人的にはここ妻籠が格段に風情があるように思えてしまいます。
馬籠は石畳で、妻籠は舗装されてるんですけどね。
やはり家並の差なんでしょうか。あくまで個人的な印象ですが。

>ねじまきさん

初めての訪問でしたが、私も妻籠の方が風情を感じましたね。
おそらく、馬籠は大正期に大火があったために比較的新しい建物が多いこと、そして妻籠にはうだつや袖壁のある格調高い建物が多いことが、そう感じさせる理由でしょう。
そういった点では、以前に訪れた奈良井宿も全然劣っていないと思います。
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