雪の南信州紀行・1―坂のある素朴な宿場町 中山道・馬籠宿

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 ▲中山道(木曽路)の宿場町、馬籠(まごめ)
「坂のある宿場町」として知られ、約700mにわたってこのような石畳の坂道が続く。

年明けから仕事が忙しかったり、インフルエンザにかかったりで、しばらく更新が滞っておりました。久々の更新となる今回は、正月に行ってきた南信州旅行のネタから。

愛知県の平野部ですら雪の予報が出ていた、去る1月3日。粉雪のちらつく中央道をひた走り、やって来たのは岐阜県中津川市。ここは昨年の9月にも訪れたところだが、今回は市街地からさらに13kmほど山道を分け入ったところにある馬籠宿が最初の目的地だ。
宿場町の観光地としては、名古屋近隣ではかなり有名な部類に入るところだが、何だかんだで今まで行く機会に恵まれず、意外にも今回が初めての訪問である。

ではさっそく、宿場のふもと側の入口(標高574m)から順に歩いてみることとしよう。
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 ▲まずは宿場の南西端、馬籠バス停の前からスタート。
県道7号と交わるちょうどこの場所が宿場の京側の入口にあたり、この背後は一面の農村風景である。

ここ馬籠宿は、中山道六十九次のうち江戸側から数えて43番目の宿場町。詩人・小説家の島崎藤村の故郷としても知られ、「木曽路はすべて山の中である」の有名なフレーズで始まる小説「夜明け前」も、ここ馬籠宿を舞台にした作品である。

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 ▲宿場をしばらく進むと、クランク状のカーブ、いわゆる「枡形」がある。
ここは左側の階段を通って、正面の水車小屋のところで直角に右に折れるのが本来の街道のルート。右側を通るなだらかな坂道は、1905年に設けられた新道だ。

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 ▲水車小屋のところで直角にカーブし、すぐに新道と合流する。
石積みにサラサラの粉雪が積もり、まさにモノクロームの世界。幸い、雪は降ったり止んだりを繰り返している程度で、散策の支障になるほどではない。

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 ▲枡形を過ぎると、このような馬籠宿らしい坂のある街並みが延々と続く。
昔の旅人にとっては辛い地形だったのだろうが、現代人がのんびりと散策するにはちょうど心地よく、そして情緒のある坂道だ。

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 ▲民宿・但馬屋さんの前で。新年早々という割には観光客の姿が多いが、それでもやはり静かだ。
普段の休日は大変な混雑というから、宿場本来の落ち着いた雰囲気を楽しむなら、まさにこんな時期こそが狙い目だろう。

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 ▲焼き栗を売る下扇屋さんの前で。煙突で暖をとる猫さん。

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 ▲宿場のほぼ中央に位置する馬籠郵便局の前で。平日だが、正月三が日なので郵便局はお休み。

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 ▲丸型ポストが街をじっと見つめる馬籠郵便局の前で。向かい側のせんべい屋さんは大盛況だ。

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 ▲郵便局の近くで不思議な光景を見た。
側溝の水しぶきが、枯草の枝に付着したところからどんどん凍っていき、春雨のようになっているのだ。つららとも違うし、こういうのを何と呼ぶんだろう。

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 ▲だいぶ坂道を登ってきたが、宿場はまだまだ続く。

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 ▲街道沿いは賑やかだが、一歩裏手に入ると、こんなのどかな山村の原風景が広がっている。
まるで別世界に来たようだ。雪の積もった茶畑が寒々しくて美しい。

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 ▲街道に戻り、さらに進んだところ。そろそろ宿場も終盤に近付いてきた。

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 ▲振り返ると、島崎藤村の憧れた中津川の街が遠くにうっすらと見えた。

ちなみにここ馬籠宿は、現在は岐阜県中津川市の一部になっているが、2005年までは長野県山口村に属していた。珍しい越県合併を経験した土地なのだ。

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 ▲そしてついに、宿場の北東端までやって来た。この陣場バス停のところで再び県道7号と交差する。
ここは宿場の江戸側の入口にあたり、左上の方には復原された高札場も見える。どこからともなく美味しそうな蕎麦のにおいが漂ってくる。ああ、信州蕎麦が食べたい。

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 ▲最後に少しだけ足を延ばして、小牧・長久手の戦いにゆかりのある馬籠上陣場跡へ。
ここは標高653mで、スタート地点からおよそ80m登ったことになる。晴れていたらここから恵那山が一望できるようだ。

馬籠宿の散策はここらで終わり。駐車場に戻り、次は隣の妻籠(つまご)宿を目指すことにした。
ところが、この馬籠と妻籠の間には標高801mの馬籠峠がある。悪路ではないのだが、あいにくの天候。峠に近付くにつれてどんどん積雪が激しくなってきた。路面は完全に凍結し、おまけにかなりの急坂。これは恐ろしい。普通タイヤならまず無理だっただろう。対向車がほとんど来ないのがせめてもの救いだ。

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 ▲やっとの思いで馬籠峠の頂上に到達。
ここを越えると、岐阜県中津川市から長野県南木曽町(なぎそまち)に入る。

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 ▲峠の頂上はこんなところ。この近くには正岡子規の句碑も建っている。

ということで次回の記事では、峠を下りた先にある妻籠宿を紹介します。
(続く)
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Comment

雰囲気が良い過去の距離ですね。 どこを見ても図になる風景で雪山の姿も印象的です。

雪が覆われた路面を見ることだけでも背筋が寒くなられてきます。 冬旅行の難点ですね。 以前の白川郷の旅行に観して心配したこともそれでした。

白川郷への旅行の話ですが、2月末に行くことができないだろうかと再び計画してみています。 前回のように確実ではないから確定すれば再び申し上げます。

>Tabiperoさん

地元の方々によって熱心に街並み保存されているのが分かりますね。
この後に訪れた妻籠宿もとても良いところでした。
今回の旅行はどこに行っても残雪だらけで寒かったですが、韓国の寒さと比べたらだいぶマシでしょう。

白川郷、ぜひいらっしゃることができるといいですね。
決定しましたらまたご連絡ください。

お久しぶりです。
馬籠の町並み、改めて見てもやっぱり立派ですね。
坂の町は雪が降ると滑りそうで怖いですねぇ。
それにしても今年は雪が多いです。
いろいろな場所で、例年なら見ることのできない雪景色が拝めて
ある意味貴重な冬になっているように思います。
引き続き妻籠の方も楽しみにしてます!

>ねじまきさん

初めての訪問でしたが、想像していたより落ち着いた雰囲気で良かったです。
雪が良いアクセントになっていましたよ。
しかし本当に、今年は雪が多いですね。地元でも年が明けてから何度か積もりました。
この続編も、信州ならではの雪景色が満載です。
それでは妻籠篇もお楽しみに!
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