秋の木曽路で街歩き―漆器の里・木曽平沢篇

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 ▲木曽漆器の里・木曽平沢のメインストリート、本通り(旧中山道)。職人の街らしい佇まいだ。

去る9月10日。前回の記事で紹介した奈良井宿を散策した後は、2.5kmほど歩き、隣町の木曽平沢(きそひらさわ)にやって来た。
この街はもともと奈良井宿の枝郷として発展したところで、現在は全国有数の漆器の産地として知られている。2006年には重要伝統的建造物群保存地区に指定され、街並み保存も進んでいるところだ。観光地らしい華やかさは無いが、落ち着いた風情の感じられるこの街を、じっくりと散策することにしよう。
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 ▲まずは、JR木曽平沢駅前に掲げられていた街の案内図。これをちょっとよく見てほしい。
赤のお椀のマークは漆器店、黒のお椀のマークは漆器工房、そして茶色のお椀のマークはこれらを兼ねているものだ。これを見ただけで、いかにこの街が漆器で成り立っているかが分かるだろう。実際、この近くの木曽楢川小学校では、なんと給食の食器に漆器が使われているという。また、1998年の長野オリンピックのメダルにも、ここ木曽平沢の漆が使われていたようだ。

では、街の南側から散策を始めよう。
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 ▲上ノ神社の前から眺めた本通り。ここが木曽平沢の街の南側の入口にあたる。
タウンアーチではないが、小さなアーチのようなものがある。お祭りのときに提灯でもぶら下げるのだろうか。

平沢の街のメインストリートは、旧中山道沿いの通称「本通り」で、南から順に上町、中町、下町と続いている。さらに、本通りの西側の裏手には、1924年に整備されたという比較的新しい金西町(きんさいちょう)の通りがある。そして、この2本の通りの間には狭い路地が入り組んでいる。

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 ▲上町。1896年の大火で建物の大半が焼失したため、比較的新しい建物が多いという。
看板を見ると、やはり漆器のお店だらけだ。お椀を伏せたような形の街路灯もユニークだ。

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 ▲しばらく北に進んだところ。このあたりは駅に近いためか、漆器以外の普通のお店も目立つ。

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 ▲木曽漆資料館のあたりを過ぎると中町となる。
新旧様々な建物が混在し、バラエティに富んだ景観だ。通り沿いからは見えないが、敷地の奥には漆器づくりの作業場である土蔵も建ち並んでいるという。じっくり見るとなかなか面白い景観の街だ。

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 ▲奈良井ほど観光地化されていなくて、観光客の姿もほとんど見かけない。本当に素朴な街だ。
観光客を目当てにしているのではなく、ごく一般的な地場産業として、気取らず淡々と漆器を作っている。そんな感じが伝わってくる。

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 ▲中町を過ぎると、この写真のあたりからは下町となる。
1749年の大火の際、尾張藩によって建物が3尺ずつ後退させられたため、道路と建物の間には「アガモチ」と呼ばれる空地が見られる。ただの駐車スペースかと思っていたが、実は由緒ある空間だったのだ。

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 ▲下町はカーブと起伏が多く、立体感のある街並みになっている。
カーブを繰り返す中山道に対し、建物は短冊形に建てられているため、前述のアガモチはギザギザの形状になっている。これも木曽平沢の景観の特徴なんだとか。

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 ▲下町の北端部。このあたりがちょうど平沢の街の端にあたる。
ここからさらに北へ進むと、塩尻市役所楢川支所(旧楢川村役場)を経て道の駅「木曽ならかわ」に至る。今回は時間の都合でそちらまでは行かず、ここを左に折れて金西町通りに向かおう。

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 ▲本通りの西側を並行する金西町の通り。
大正時代の1924年に新しく築かれた道で、それ以降の比較的新しい建物で構成されている。

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 ▲金西町通り。本通りから見ると裏手にあたるため、ガレージや蔵などがちらほらと見受けられる。

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 ▲そして最後に、金西町の通り沿いにある平沢郵便局へ。
田舎町らしい、のんびりした風情の郵便局。待合所には文庫本がたくさん置いてあり、ミニ図書館のようになっている。温かな雰囲気が感じられる郵便局だった。ここで恒例の100円貯金をすると、可愛らしいポスト型の消しゴムをいただいた。

木曽平沢の街歩きはここらで終わり。狭い路地を抜けて金西町から本通りに出て、そこからさらに急な坂道を上り、JR木曽平沢駅に向かった。
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 ▲JR木曽平沢駅。立派な駅舎だが窓口は閉鎖され、完全に無人駅となっている。

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 ▲ホーム越しに木曽平沢の街を望む。
この駅は今までに何度も通り過ぎたことがあったが、それだけでは街の様子は分からないもの。見知らぬ小さな駅にふらりと降り立ってみると、いつも新たな発見がある。だから旅は楽しい。

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 ▲さらば、木曽平沢。また来る日まで。

ということで、この後は1時間40分ほど電車に揺られて、この日2度目の中津川へ。そこで、前々回の記事で紹介した中津川の旧市街を散策した後、さらに2時間ほどかけて帰ってきました。秋の爽やかなショートトリップでした。
(完)
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