秋の木曽路で街歩き―中津川の商店街めぐり篇

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 ▲中津川の旧市街、中山道沿いの通称「下町」かいわい。
9月なのに真冬のようなやわらかな日差しが印象的だった。

ちょうど暑さが和らいできた、去る9月10日(月)。ふと思い立ったように、岐阜県東部から長野県南部にかけての旧街道、木曽路(中山道)沿いをぶらりと旅してきた。紅葉にはまだ早い季節だったが、この地の名物として知られる、私の大好きなある「和菓子」がちょうど出始める季節だったのだ。

そんなわけで、この日はちょっと早起きしてJR東海道線と中央線を乗り継ぎ、まずは岐阜県の南東端に位置する中津川市にやって来た。かつては中山道(木曽路)の宿場町として、現在は東濃の拠点都市、そして交通の要衝として栄える人口約8万人の都市だ。今回は、この中津川の中心街に広がる商店街をじっくりと歩いて巡ることにした。
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 ▲旅の始まりはJR中央線・中津川駅から。
過去に何度も来たことがあり、個人的には馴染み深い駅である。名古屋からの快速列車の終点になっているので、駅名としての知名度は高いだろう。随分遠いところに来たという感じがするが、これでもギリギリ名古屋の通勤圏。朝の上り列車は早めに並んでおかないと多治見まで座れないんだとか。

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 ▲駅前風景。左の方からまっすぐ延びるのが駅前通りだ。
よくある地方都市の駅前といった感じで、かつてはこの左側にダイエーもあった。閉店した後は「にぎわいプラザ」という市の施設に変わっているようだ。県内の中山道の宿場を紹介するコーナーなどもあり、旅のスタートに立ち寄ってみるのも良いかもしれない。

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 ▲駅からまっすぐに延びる駅前通り。電線が地中化されて、すっきりとした街並みになっている。
この通りは、かつての旧町名から別名「緑町通り」とも呼ばれている。この緑町を始め、中津川の中心街には昔から親しまれた旧町名がたくさんあり、こちらのページではそれらが地図上に示されている。また、この「駅前通り」を南東に進むと「レジストロ通り」と名前が変わる。こちらは姉妹都市にちなんだネーミングのようだ。

さて、再び駅前に戻り、今度は駅の北東に位置する「栄町」というエリアへ。すると、ロータリーに面したところにこんなのがあった。
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 ▲「栄町発展会」。この奥に商店街があるというのか?秘密の入口みたいで心を引かれる。

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 ▲奥に進んで行くと、こんなところに出た。幹線道路の一本裏手に延びる栄町商店街だ。
ゆるやかな坂道になっていて、黄色と白のツートンカラーの街路灯もまた洒落ている。ここで、通り沿いの中津川駅前郵便局に立ち寄り、恒例の100円貯金。朝一番なのでガラガラに空いていた。

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 ▲こちらは、駅から線路沿いに北東に延びる台町通り
地図で見るとよく分かるが、この道は3回もカクカクとカーブしている。「商店街」と言うにはちょっと寂しい感じだが、通り沿いにはしもた屋風の古い建物が点在していて、かつての繁栄が偲ばれる。

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 ▲台町通りを進んで突き当たったところからは、南東に向かって白山町通りが延びている。
ここはもうかなり街外れに位置するのだが、それなりにお店の数は多い。この白山町通りは、先ほどの台町通りと併せて「白台発展会」という組織を形成している。

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 ▲続いて、駅前から南に一つ目、太田町交差点から東に延びる東太田町通り商店街へ。
この狭い道幅、気取らない庶民的な店構え、いかにも地方都市の裏通りといった感じで無性に懐かしさを感じる。

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 ▲こちらは太田町交差点から西に延びる西太田町通り商店街
どうやらここが中津川のメイン商店街のようだ。通りの入口にはタウンアーチも設置されている。

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 ▲西太田町通り商店街。朝早いので閉まっているお店も多いが、なかなか賑やかそうな景観である。
この通り沿いには、五平餅のお店「おふくろ」さんがある。子どもの頃によく連れてきてもらったお店で、この日は帰りに久しぶりに立ち寄ってみた。もう10年ぶりくらいだろうか。五平餅といえばわらじ型のものが知られているが、中津川の五平餅は団子型。独特のタレが香ばしくて本当に美味しい。お勧めのお店である。

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 ▲西太田町通りを西に抜けたあたり、倉前橋から眺めた四ツ目川沿いの風景。
「四ツ目川」とはちょっと変わった名前だが、昔は非常によく氾濫する川だったようで、そのたびに川の流路がころころと変わり、現在のがちょうど4番目の川筋だったために付けられた名前と言われている。そんなことが想像できないくらい、今は穏やかな風景が広がっている。

さて、この四ツ目川を西側に渡ったところこそが、従来からの中津川の旧市街。ただ、時間の都合でそちらは後回し。今度は橋の手前から南に進んでみよう。
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 ▲倉前橋の東側から南に延びる花菱町通り
短い通りながらも発展会が組織されている。一見路地裏のように見えるところにも商店街があったりして、なかなか奥が深い街だ。

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 ▲続いては、西太田町通りの1本南を並行する、けやきもーる新町商店街
街路樹が並ぶコミュニティ道路の洒落た商店街だが、この道こそがかつてのメインストリート、中山道にあたる。かつては大名行列も通った由緒ある通りだが、現在は先ほどの西太田町通りと比べると脇役的な商店街に成り下がってしまっている。
通り沿いのお店では、各店舗の紹介と店員さんの似顔絵が描かれた、ユニークな「ぶらぶら歩こうMAP」が配布されていた。ここで、通り沿いの中津川郵便局に寄り道。大きな郵便局なのに狭い商店街に面しているのがちょっと珍しい。

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 ▲新町けやきモール沿いで。中津川名物・栗きんとんのお店、「すや」さんの本店がある。
実はこの日、中津川に来た最大の目的が、ここの栗きんとんを買うことだった。とにかく私は「すや」さんの栗きんとんの大ファンで、ここの栗きんとんを食べないことには秋が始まらないと思っている。栗きんとんだけでなく、生菓子にくるみ餅、そしてからすみなど美味しいお菓子ばかりで、中津川の人が本当に羨ましい限りである。

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 ▲さらに東に進んで新町交差点を渡ると、淀川町通りとなる。
この道も、先ほどから続く旧中山道にあたる。お店の数は少ないが、通り沿いには丸型ポストが立っていたり、大きな蔵があったりと、歴史を感じさせる道路だ。

さて、この後は再び中津川駅から列車に乗り、長野県の奈良井・木曽平沢に向かった。そのことについてはまた次回の記事で書くこととして、この日は夕方にもまた中津川に立ち寄った。先ほど行けなかった、四ツ目川の西側に広がる旧市街エリアを訪れるためだ。
東から順に淀川町、新町と続く中山道は、四ツ目川を渡ると本町、中町、横町、下町と続いている。まずは本町から歩いてみよう。

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 ▲四ツ目川のすぐ西側に続く、本町界隈。
ここ本町は、その名の通り中津川宿の中心的な場所だったようで、本陣や脇本陣、問屋、庄屋などが集まっていたようだ。現在はすっかり寂れてしまっているが、ぽつぽつと古いお屋敷が残り、往時の面影を感じさせる。左手に見えるのは、庄屋屋敷の曽我邸(旧肥田家)。1893年には登山家のウォルター・ウェストンも、恵那山登山の前日にここに宿泊したそうだ。

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 ▲本町からさらに西に進むと中町となる。
宿場としての面影は薄らいでしまっているが、昭和レトロの渋い街並みもまた魅力的だ。

中町を過ぎると、旧中山道は直角に左にカーブしている。旧街道によく見られる「枡形」というものだ。その先は「横町」となり、横町の先にもまた枡形がある。
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 ▲横町。このあたりは特に、古い建物が昔ながらの状態で残されている。
手前に見えるのは1842年築の白木屋(横井家)。その奥は江戸中期築の十八屋(間家)。さらにその奥は「すや」さんとともに知られる栗きんとんの名店、「川上屋」さんの本店だ。

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 ▲横町の先の枡形で再び直角に右に曲がると、宿場の西の入口にあたる下町となる。
このあたりは坂道に沿って「うだつ」の上がる家並みが続く。うだつと言えば美濃市のものが有名だが、中津川も昔は至るところでこのようなうだつが見られたそうだ。通り沿いには、地酒「恵那山」の蔵元、はざま酒造さんがある。

そんなわけで、中津川の街歩きはここらで終わり。主要な商店街はこれで全て押さえたが、まだまだ見どころはたくさんありそうなので、来年の秋にまたぜひ訪れてみたい。

さて、次回の記事では、同じ日に訪れた長野県塩尻市の奈良井宿を紹介します。
(続く)
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