【能登半島一周・番外編】金沢から白山スーパー林道を経て白川郷へ

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 ▲言わずと知れた世界遺産・白川郷、荻町合掌造り集落
夕方6時を過ぎていたので観光客の姿も少なく、聞こえてくるのは地元の人々の素朴な会話と蝉時雨。なんだか本来の村の風情が味わえているようで、ちょっと得した気分だ。

前回の記事まで、3日間にわたる壮大(?)な能登半島一周旅行記をお送りしてきたが、旅はこれで終わりではない。4日目のこの日は、3日間ともに過ごしたN氏と羽咋駅で涙ながらに別れた後、今度は名古屋から列車でやって来たみるくさん・なめらかプリンさんと合流し、3人で白山スーパー林道・白川郷経由で帰って来ることになったのだ。
ということで、まずは羽咋市から宝達志水町、かほく市にかけて、国道249号・国道159号を南下するところから見てみよう。
かほく市に入ると、ここはもう金沢のベッドタウン。3日間走り続けた田舎道の風景とは対照的に、交通量も多くて緊張感が高まる。ちなみにここからは能登国ではなく加賀国なので、本当の意味での「能登一周」はようやくここで成し遂げられたことになる。


 ▲途中でちょっと寄り道、かほく市の高松・木津の街へ(動画:1分39秒)。
特に高松の街は以前にも歩いたことがあるので、無性に懐かしかった。

そしてかほく市のさらに南、金沢の手前に位置する津幡町(つばたまち)のJR津幡駅で、みるくさん・なめらかプリンさんと合流。ここから3人で金沢方面を目指した。

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 ▲最初にやって来たのは、金沢の郊外にデンとそびえ立つ石川県庁
2003年に移転してきたばかりということもあり、かなり巨大な建物だ。わざわざ石川県まで来て何のために県庁へ、と思われるかもしれないが、かねてから駅西・鞍月の副都心エリアに興味を抱いていた私に、お役所に縁(?)のあるみるくさんと、無料で上がれる展望台が大好きななめらかプリンさんの思惑が見事に一致した結果だ。

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 ▲さっそく19階の展望ロビーへ。もちろん無料だ。まずは北西に広がる金沢港方面。
広大な日本海が広がっているが、空気が霞んでいて見えにくい。手前の整備された街並みと、右奥の古そうな街並み(戸水一丁目あたり)も対照的だ。

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 ▲反対の南東に広がる金沢市街方面。
遠くに見える大きな四角い建物は、北陸で最も高い建物、ポルテ金沢(ホテル日航金沢)。ちょうどそのあたりが金沢駅前にあたり、その右奥が金沢の中心街だ。

さて、県庁を出た後は金沢の中心街から野々市の街を通り過ぎ、金沢と岐阜を結ぶ国道157号を南下して、白山市にやって来た。白山市内の国道157号は、地図で見ると分かる通り、わざわざ手取川を2回渡って川向こうの能美市を一瞬かすめている。土地が無くて仕方なくこのルートになったのだろうか。
その一瞬かすめるだけの能美市の途中には道の駅「しらやまさん」があるので、ちょっと寄ってみた。比較的規模が大きく、土産物も充実した道の駅だ。
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 ▲道の駅に隣接するちゃーしゅう一番で、ちゃーしゅう麺(塩)と高菜めしをいただく。
和風のだしで、意外とあっさりしていて美味しい。どうやら観光客よりも地元の人で賑わっている感じのお店だ。

さて、この道の駅を過ぎると一気に平野部から山間部に突入する。しばらく走って国道360号に入ると、道の駅「瀬女」というのがあったので再び立ち寄る。こちらもかなり大きな道の駅で、土産物をあれこれ物色する。標高は約300mで、周囲を山に囲まれてはいるが、まだまだ暑い。

そしていよいよ山深くなり、人家もまばらになってくると白山スーパー林道の入口が見えてきた。石川県と岐阜県にまたがる総延長33.3kmの有料道路で、険しい地形の割にはよく整備されていて走りやすい。ちなみにauの携帯電話はほとんどの区間が圏外だった。

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 ▲途中、蛇谷園地駐車場にクルマを止め、長い階段を下って深い谷底へ。
谷底までの高低差は約50mで、ちょっとしたハイキングのようだ。このあたり、標高は700mを超えているが、まだまだそれなりに暑い。下界は一体どれほどの猛暑なのだろうか。

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 ▲しばらく歩くとこんな気持ちの良い木陰があった。黄緑色がとても鮮やかで綺麗だ。
このあたりにはブナ・ミズナラの天然林が広がっていて、学術的にも貴重なものとなっているらしい。

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 ▲蛇谷川の清流に沿って遊歩道を進む。500mほど歩くと滝が見えてきた。

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 ▲落差76m、幅100mの姥ヶ滝(うばがたき)だ。
老婆が白髪を振り乱したように見えることからその名が付いたといわれる。不気味な名前だが、そう言われると確かにしっくりくるネーミングだ。

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 ▲姥ヶ滝の近くには天然温泉「親谷の湯」が湧出していて、簡素ながら露天風呂も設置されている。
ただ、脱衣場も何も無く、人の多いこの場所で温泉に浸かるのはちょっと勇気がいりそうだ。

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 ▲ロープを使って川べりに降りてみると、温泉が川の水に合流する場所があった。
熱湯と冷たい水が混じり合い、ちょうど良い温度になったところで天然の足湯を楽しむ。さすがに4日にわたる旅の疲れが出ているのか、物凄く気持ち良い。

さて、あまりゆっくりもしていられないので、来た道を引き返して再び駐車場に戻る。今度はひたすら上り坂なので、汗だくでもうフラフラだ。
クーラーをガンガンに効かせた車内で休憩してから出発。しばらく進むと、大きな駐車場の周りに人だかりが出来ているのが見えた。
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 ▲白山スーパー林道随一の見どころ、ふくべの大滝だ。
対象物が無いので分かりにくいが、落差は86mもあり、びっくりするほど巨大だ。あまりに大きすぎて、これでも全体が写っていない。この滝、林道を開設した際に初めて発見された「幻の滝」とも言われていて、下から見える滝の上部にもう一つ滝があることから、ひょうたんの意味を持つ「ふくべ」の名が付けられたそうだ。とにかくスケールの大きな滝だ。

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 ▲ふくべの大滝を過ぎるとヘアピンカーブが連続し、一気に標高が高くなる。

しばらく進むと、岐阜県との県境の少し手前に白山展望台というのがあった。本来ならここから白山の主峰三山が綺麗に見渡せるようだが、あいにく雲に隠れていてよく見えないのが残念だ。白山といえば、天気さえ良ければ100km近く離れた愛知県の自宅からでも見えるのだが…。

そして、県境の三方岩(さんぽういわ)トンネルを抜けると、4日間滞在した石川県からついに岐阜県に突入した。ちょうどこのトンネル付近が林道の最高地点で、標高は約1445m。ここまで来るとさすがに涼しい。ここから先は延々と下り坂が続き、どんどん標高が低くなる。岐阜県側は霧が濃く、下界は真っ白だ。

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 ▲蓮如茶屋の近くで。もう7月も終わるというのに、アジサイの花が見ごろを迎えていた。
この近くには「白川郷展望台」という場所があったが、霧のせいで全く見えず、本当にこの下に白川郷があるのかと疑いたくなるほどだ。

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 ▲さらに下り、料金所を過ぎるとようやく霧が晴れてきて、眼下に白川郷が見えてきた。
場所はちょうど東海北陸道の大牧トンネルの真上あたりになるようだ。有名な展望所ではないが、よく見渡せる穴場スポットだ。

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 ▲また別の角度を。綺麗な棚田が広がり、まるで箱庭を見ているようだ。

さて、白山スーパー林道から一般道に出ると、ほどなく白川郷の荻町合掌造り集落にたどり着いた。大雪の降る2007年3月に一度来たことがあるが、それ以来、約5年ぶりの訪問だ。
時刻はもう夕方6時。観光客はもう帰り始めている頃で、休日だというのに広大な駐車場はガラガラだ。

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 ▲荻町の集落には西通り・本通り・東通り・山越通りがあるが、何といっても風情があるのは東通り
ただ、5年前に来たときと比べると、悲しきかな随分観光地化が進んでいる気がする。普通の民家だったところが飲食店や土産物屋になっていたり、伝統的なデザインを演出してはいるものの、現代的で小綺麗なアイテムが増えていたり。その点、韓国の河回村は店舗関係が全て集落の外に移設され、伝統的な雰囲気が残されていたのが良かった。白川郷も何らかの策を講じなければ、このままでは商業主義の餌食にされてしまいかねないだろう。

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 ▲こちらは本通り。地元の人にとってのメインストリートだ。
合掌造りの建物は少ないが、それでも田舎町の商店街といった感じで風情がある。

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 ▲最後に西通りへ。タチアオイの花に心を奪われた。

いつの間にかすっかり日が暮れ、遠くから雷の音も聞こえてきたので、散策はこのあたりで終わり。この後は白川郷ICから東海北陸道で関ICへ、そこから岐阜市のみるくさん宅に寄ってみるくさんと別れ、その後さらにJR木曽川駅に寄ってなめらかプリンさんと別れ、一宮市の自宅に帰ってきたのは夜10時ごろだった。最後に、この4日間のクルマでの総走行距離は、1004.0kmを記録したことを付け加えておこう。

これにて能登半島シリーズは完結。長い旅行記にお付き合いいただいた皆さん、ありがとうございました。

(完)

【目次】
【能登半島一周その1】七尾は衝撃的な簡易郵便局の宝庫だった
【能登半島一周その2】穴水から宇出津へ、思い出の海岸沿いを往く
【能登半島一周その3】朝もやの港町・宇出津(うしつ)を歩く
【能登半島一周その4】宇出津から珠洲へ、海沿いの名所と郵便局めぐり
【能登半島一周その5】絶景の連続、ついに最果ての地へ
【能登半島一周その6】朝市だけじゃない!趣ある輪島の商店街めぐり
【能登半島一周その7】輪島から能登金剛へ、海沿いの絶景めぐり
【能登半島一周その8】ついにゴール!巌門から羽咋・千里浜へ
・【能登半島一周・番外編】金沢から白山スーパー林道を経て白川郷へ(このページ)
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白川郷みたいな村で伝統家屋を維持しながら生きていくことは容易ではないでしょう。 商業主義と迎合しようと思う誘惑に勝つことは容易ではなく見えます。 昔の店舗でいっぱいである河回村(ハフェマウル)に失望した私には河回村が食堂のような所を全部村の外に移動させたことは本当に勇気ある決定同じに見えます。

率直に申し上げようとするなら、この記事では白川郷より白山スーパー林道が気になりますね。 親谷の湯に一度勇感にからだを漬けてみたいことも^^;;;

メールは確かに受け取りましたが、メールにも言及したようにはっきりと行くと決定されたことではないので、返事を差し上げにくかったです。 確定すれば再び連絡差し上げます。

>Tabiperoさん

確かに、現代の生活と伝統を両立させていくのは難しいことでしょうね。国からの補助も決して十分ではないそうです。
白川郷の近くの富山県側には五箇山(ごかやま)という集落もあり、こちらは交通の便が悪くて知名度も低いのですが、その分かえって素朴な伝統が残っていておすすめだと聞きました。

白山スーパー林道、特に姥ヶ滝の周辺は本当に清々しい景色で良かったです。親谷の湯も入ってみたら気持ち良いでしょうね。
ただ、残念ながら冬期は大雪のため閉鎖されてしまいます。
ちなみに今日は、自宅から一年に数回しか見えない白山が見えましたよ。
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