【能登半島一周その6】朝市だけじゃない!趣ある輪島の商店街めぐり

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 ▲輪島市街の西部に位置する鳳至上町(ふげしかみまち)通り
観光客の姿は少なく、落ち着いた雰囲気の街並み。一見すると民家のような建物が、実は輪島塗の工房だったりして、素朴な中にも輪島らしさが感じられる。

能登半島一周旅行もいよいよ三日目。前回の記事では珠洲市から輪島市に来たところまでを紹介したが、この日は朝から輪島の街をじっくりと散策することにした。
輪島の街は大ざっぱに言うと、河原田川の東側に広がる河井町(かわいまち)と、西側に広がる鳳至町(ふげしまち)から成り、昔からこれらを合わせて輪島両町と呼んでいた。有名な朝市通り(本町商店街)を始めとする観光スポットは河井町側に集中しているが、鳳至町側も歴史のある街だけあって、人情味溢れる商店街がたくさん通っている。今回は朝から1時間ほどかけて、河井・鳳至両町の商店街・路地をめぐることにした。
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 ▲まずは河井町の中心部に位置するわいち通り商店街へ。
重蔵神社(じゅうぞうじんじゃ)の表参道として栄えたこの通りは、かつては「中浜町商店街」、あるいは「輪島銀座」とも呼ばれ、輪島を代表する繁華街だったという。石畳風の洒落た商店街に生まれ変わってはいるが、人通りは少なく、何だかひっそりとしている。どちらかと言うと地元の人向けの商店街といった印象が強い。

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 ▲わいち通りを歩いていると、このような輪島段駄羅(だんだら)の看板をあちこちで見かけた。
段駄羅とは、江戸中期から輪島塗の職人たちの間で流行した言葉遊び。五七五の形をとっているが、中の七音に二通りの意味が持たせてあり、前半の五七と後半の七五で二つの内容を含んでいる。わいち通りの他、朝市通り、道の駅など、市内各所の街路灯の柱などに掲げられているが、思わずうんと唸るようなうまい作品もあり、けっこう笑える。

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 ▲わいち通りを西進し、錦川大通りを横断すると、朝市通り(本町商店街)となる。
輪島といえば何と言っても朝市。高山、勝浦に並ぶ日本三大朝市の一つとして知られ、観光客でごった返している。商魂たくましいおっかさんたちの声が響き渡り、とても賑やかだ。

公式サイトによると、この朝市通りから南北に延びる路地には、馬出小路、木下小路、伊右エ門小路、風呂屋小路、下駄屋小路、重左エ門小路、はべんや小路、長楽小路、市姫参道、室谷小路、田谷小路とそれぞれ名前が付けられているようだ。路地の入口には、その名前を示す石碑も立っている。これは面白そうだ。
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 ▲例えばこれは、朝市通りから南に延びる木下小路。ちょっとした商店街になっている。

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 ▲こちらは朝市通りから北に延びる風呂屋小路。まっすぐ行くと浜通りに突き当たる。

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 ▲再び朝市通りに戻ると、突然ヨーロッパの宮殿のような建物が出現。イナチュウ美術館だ。
輪島塗の製造・販売会社である「稲忠漆芸堂」が運営する美術館だが、これはちょっと周囲の景観から浮いてしまっている。この会社、他にもキリコ会館や漆芸会館、大型レストランなどを手広く運営しており、輪島市内の電柱広告はほとんどがこの稲忠関連で埋め尽くされている。まさに、輪島の観光界をリードする一大企業なのだろう。
ところがこの10月、なんと稲忠漆芸堂は破産に追い込まれ、美術館を始めとする関連施設も営業停止になっているというのだ。能登半島地震やら不景気やら観光客の減少やらで大変だったのだろうが、この建物を見る限り、ちょっとお金の使い道を誤ったのではという気がしなくもない。

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 ▲続いて、朝市通りから南に延びる長楽小路へ。奥に見えるのは善龍寺。

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 ▲こちらは市姫神社に向かう市姫参道。板壁の建物が連なり、能登らしい景観だ。

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 ▲最後に田谷小路へ。
狭くて目立たない路地だが、何ともいえない風情がある。通り沿いには体験もできる輪島塗工房「塗太郎」もあり、ちらほら観光客の往来がある。

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 ▲朝市通りは西端部でかぎ型にカーブし、その先も商店街が続いている。

さて、この朝市通りを西に抜けて、河原田川に架かるいろは橋を渡ると、河井町から鳳至町へと入る。
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 ▲いろは橋の西詰から鳳至町の中心の住吉神社まで続く、通称「横町通り」。
あまり知られていないが、河井町の朝市に対し、鳳至町では昔から夕市というのが開かれていて、いろは橋はこれら相互を結ぶ橋として昔から輪島市民に親しまれてきたようだ。もっとも、夕市は朝市と比べて圧倒的に知名度が低く、またわざわざ橋を渡ってまで来る観光客も少ないようで、鳳至町側はどちらかというと地元の人向けの生活感溢れる街並みになっている。

いろは橋のたもとには、「いろは蔵」という蔵を改装した交流施設があった。ちょうど穴水町在住の中西真三氏の絵画教室展が催されていて、記帳をしたらわざわざお礼の絵葉書を送ってくださった。ありがとうございました。

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 ▲横町通りをしばらく歩くと住吉神社にぶつかる。この神社の境内が夕市の舞台だ。
ただ、今回は時間の都合で夕方まで輪島に滞在することはできないので、夕市の模様は体験できなかった。

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 ▲住吉神社の手前を左に折れ、南に進むと鳳至上町通りが続いている。
観光地化されていない落ち着いた街並みで、観光客の姿は全く見かけない。左手に見える大きな建物は、地酒「奥能登の白菊」を醸造する白藤酒造店。江戸時代には廻船問屋を営んでいたという、由緒あるお店だ。

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 ▲鳳至上町通りを南下し、国道249号に出る一つ手前を左折すると、新橋まちなみ通り商店街に出る。
こちらはちょっと庶民的な雰囲気の商店街。公式サイトによれば、昭和30年代にはパチンコ店や映画館もある一大繁華街だったそうだ。ここをまっすぐ進むと、河原田川に架かる国道249号の橋、新橋に出る。

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 ▲新橋から眺める河原田川。奥に見える赤い橋が、先ほど渡ったいろは橋だ。
この新橋を渡って鳳至町から再び河井町に戻り、今度は国道249号を東に進む。

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 ▲新橋の東詰、国道249号(中央通り)沿いに続くまんなか商店街
その名の通り、輪島の街のど真ん中を東西に貫く商店街だ。ごく普通の地方都市といった感じの風景だが、「能登のキリコ」「漆の里」と書かれた和風の街路灯がずらりと並んでいて、輪島らしさをアピールしている。

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 ▲まんなか商店街の河井中央交差点から北に延びる通り。
ここをまっすぐ進むと、冒頭で紹介したわいち通りにぶつかる。

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 ▲こちらは河井中央交差点から南に延びる馬場崎商店街(県道1号)。
ここは輪島市街の玄関口にあたる通り。2009年に道路の拡幅が完了し、同時に電線が地中化されている。宇出津の新町通り珠洲の春日通りと同じく、建築デザインの統一が行われ、輪島独自の「浜屋造り」の家並みが続いている。

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 ▲馬場崎商店街をそのまま進むと駅前商店街となる。その名の通り、駅と市街地を結んでいた通りだ。
のと鉄道の穴水-輪島間は、宇出津・珠洲方面よりも一足早く2001年に廃止されている。その後10年以上も経つが、商店街の名前も交差点名もいまだ「駅前」のままだ。もっとも、珠洲と同じくこちらも駅の跡地には「道の駅」が建てられており、またバスターミナルとしても機能しているため、「駅前」というのもあながち間違った話ではないだろう。

これにて輪島の商店街めぐりは終わり。河井町側、鳳至町側とも、それぞれの個性が際立って魅力的な街だった。
この後は、せっかくなので「道の駅」に立ち寄り、かつて鉄道が走っていた当時を偲びつつ、さらに能登半島を南下します。
(続く)
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