【能登半島一周その1】七尾は衝撃的な簡易郵便局の宝庫だった

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 ▲能登半島の付け根、富山県との県境がある七尾市大泊町付近で。長い長い能登路はここから始まった。

広島・岡山シリーズが終わった後は、夏の北陸シリーズ。去る7月26日~28日、友人N氏と一緒に石川県・能登半島を旅してきた。
今回の旅程は、3日間ひたすら海沿いを走り続け、能登半島をクルマで一周するというシンプルかつ壮大なもの。個人的に能登という土地にはいろいろと縁があり、既に2008年の夏には半島の先っぽにある禄剛埼(ろっこうざき)まで行ったこともある。そして同行のN氏も北陸に数年間住んでいた経験がある。いろんな意味で懐かしさを感じさせる旅行だった。

さて、初日の7月26日。愛知県一宮市の自宅を出発したのは早朝の5時半。尾張一宮駅でN氏と合流し、東海北陸道、能越道を経て富山県氷見市の氷見北ICに到着したのがちょうど9時だった。
手始めに、氷見北ICにほど近い稲積簡易郵便局と八代郵便局に立ち寄ってから、最初にやって来たのは氷見市の北西部に位置する胡桃(くるみ)という小さな集落(▼)。
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こんな感じの寂しい山村で、有名な観光地でも何でもないところ。しかもこの集落、悲惨なことに大正時代から幾度となく地すべりの被害に遭っているという。
ところがこの度重なる地すべりは、いつも集落の中央に位置する火神社だけを避けるようにすべっていったようで、この神社は「すべらない」=「合格祈願」の神社としてじわじわと有名になってきているらしいのだ。

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 ▲こちらがその火神社。全く観光地化されていない、山の中の素朴な小さな祠だ。
実は同行のN氏、ここの絵馬を奉納して見事医師国家試験に合格している。今回はそのお礼参りも兼ねてやって来たのだ。全国から受験生が集まるような大きな神社を想像していたが、意外とこぢんまりとしたスポット。私も教育関係の仕事をしているので、ここで教え子たちの合格祈願をしてきた。

丘陵地にある胡桃集落から今度は長い下り坂を下って、再び富山湾沿いへ。本日3局目の宇波郵便局に寄りつつ、郵便局のある灘浦地区の集落を少しだけ散策。
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 ▲宇波郵便局近くの街並み。昔ながらの商店が点在する街道筋のようなところだ。

このあたりの風景にも心惹かれるものがあったが、今日のメインは石川県の能登半島。富山県の人には申し訳ないが、国道160号(能登立山シーサイドライン)をさっさと素通りさせていただき、しばらく走ると…
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 ▲いよいよ石川県七尾市に突入。ここからが本当の能登旅行の始まりだ。
ちなみに右奥に見える小さな島は仏島。石川県側にあるように見えるが、行政上は富山県に属する。

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 ▲反対側の富山県氷見市の標識。落雪対策のためか、標識の上には独特な形の屋根が付いている。
ちなみに左奥に見える小さな島は虻ヶ島。天気が良ければ、このさらに奥に立山連峰も見えるようだ。

さて、ここからさらに富山湾を右手に眺めながら国道160号を北上。MROラジオの「げつきんワイド!おいねどいね」を聞きながら快調に走る。地方のAMラジオはクルマの旅には必須アイテム。「兼六園どっから来たが~」とか「ちょっと聞いてま~」とか、方言連発ローカル色満点のミニコーナーがたまらない。さらに、「八幡のすしべん」とか「ともかちゃんの宮本仏檀店」とか、以前よく聞いたローカルCMが今も健在で、懐かしすぎてテンションが上がってきた。

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 ▲途中で立ち寄った、佐々波郵便局の正面の風景。
なんと、ガラス張りの郵便局の窓からこの風景が一望できるのだ。なんて贅沢な郵便局なんだろう。例によって空気の澄んだ日には立山連峰が見えるらしいが、局員さんの話によると、立山が見えた翌日は必ず雨というジンクスがあるんだとか。この他、途中には女良郵便局や南大呑郵便局もあったのだが、時間の都合で素通り。

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 ▲続いて、レトロな外観が印象的な庵(いおり)簡易郵便局へ。
公民館を兼ねているのか、「庵中央會舘」の文字が見える。この郵便局、外観も素敵だが、特に珍しいのは玄関で靴を脱いで上がるという点。すでに1100局ほど回っているが、こんな経験は初めてだ。

庵を過ぎると国道160号は崎山半島をショートカットするように山を越えて七尾市街に向かっているが、私たちはより海沿いを目指して、県道246号を通るルートを取った。かつて「鉄腕DASH」で放映されていたソーラーカーで日本一周の企画と同じだ。
メインルートから外れた県道は狭くてカーブも多いが、海沿いのアップダウンは豪快で景色も見事。しばらく行くと江泊(えのとまり)という小さな漁村に差し掛かった。実はこのあたりに北大呑(きたおおのみ)簡易郵便局というのがあるはずなのだが、どこにも郵便局らしきものは見当たらない。注意深く走っていると…
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 ▲燦然と輝く赤ポスト発見!
どう見ても民家にしか見えないが、とりあえずポストの前に駐車させていただき、石段を上がって行くと…

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 ▲でーんと立派な古民家が出現!
よく見たら「」マークが。どうやらここで間違いなさそうだ。

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 ▲玄関には確かに「北大呑簡易郵便局」の文字が見て取れた。
よそのお宅にお邪魔するように恐る恐る引き戸を開けると、奥さま、いや局員さんが現れた。そこは窓口もカウンターもない、ごく普通の民家の玄関先。本当にここで良かったのだろうかと若干不安になりつつ「貯金をお願いします」と通帳と現金を渡すと、奥に持って行ってきちんと処理をしてくださった。

ちなみにこの建物、局員さんによると築150年ほどとのこと。そういえば、2009年に訪れた下関南部町郵便局が確か「日本最古の現役郵便局舎」を名乗っていたはずだが、そちらは1900年の竣工。余裕でそれを上回っているじゃないか…。この日は朝からすごい郵便局ばかりだ。

さて、興奮冷めやらぬまま県道246号を北上し、海沿いから内陸に入ると次の崎山郵便局(▼)が現れた。
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ここは簡易局ではないので普通の新しい建物だが、板壁に黒瓦と能登らしいデザインになっている。
人懐こい感じの局員さん、通帳を見て「庵簡易局と北大呑簡易局に行かれたなんて!よく場所が分かりましたね!」と驚かれたが、驚いたのはこっちの方だ。「庵簡易郵便局を“敷居の高い郵便局”なんてテーマでナニコレ珍百景に投稿しちゃってください」とそそのかされたが、勝手に投稿していいものだろうか…。

続いて、七尾駅行きの路線バスを追い掛けるように県道246号を進み、今度は崎山半島の西岸に位置する三室簡易郵便局(▼)へ。
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民家の離れのような素朴な建物の郵便局だが、もはやこれくらいでは驚かなくなってしまった。優しい感じの局員さんが、「遠くから来られましたね」とキャンディーをくださった。

三室簡易局からさらに西に進み、大田交差点で再び国道160号に合流すると、そこはもう七尾市の中心部。4年前の夏に七尾駅からレンタサイクルで訪れた七尾大田郵便局を横目に見つつ、若干雰囲気の変わった七尾駅周辺を通り抜けて、七尾フィッシャーマンズ・ワーフ・能登食祭市場でちょっと休憩することにした。こちらも4年ぶりの訪問で何だか雰囲気が変わった気がするが、相変わらず大盛況だ。
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 ▲能登食祭市場内の「まいもん処 たぶ屋」で、能登の海の幸をいただく。ごちそうさまでした。

七尾の中心街は今までにもう何度も訪れているので今回は素通りし、次は七尾湾に浮かぶ能登島にやって来た。初めての上陸ということもあってワクワクしたが、橋を渡って気軽に来られるためか観光客向けの施設が多く、まるでリゾート地のような雰囲気。あまり離島らしくないな、というのが第一印象だった。
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 ▲最初に訪れた能登島郵便局も、南国風の洒落た建物。田舎とか離島とかのイメージとはほど遠い。

ところが、メインストリートをはずれると急に雰囲気が変わり、そこには手付かずの島の原風景が残っていた。なだらかな山道を走り、集落の中を迷いに迷い、車幅ぎりぎりの狭い路地の奥まで進んで行くと、東島簡易郵便局(▼)があった。
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意外にも簡易郵便局らしくない、普通の郵便局とあまり変わらない建物。どうやらここは1996年に廃止された東島郵便局をそのまま引き継いでいるようだ。

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 ▲さらに、島の北東部の海沿いにある鰀目(えのめ)郵便局へ。
「鰀」(「魚」偏に「爰」)という文字が機種依存文字のためか、日本郵政の公式サイトでは「えの目」と平仮名で表記されている。

能登島の北東に位置する鰀目から今度は能登島広域農道をひた走り、あっという間に島の南西部へ。
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 ▲最後に西島郵便局へ。これにて能登島の郵便局は4局全て訪問完了。何だかあっけなかった。

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 ▲西島郵便局の前の通り。ごく普通の街道らしい風情。

さて、ここまででもかなり旅を堪能している感じだが、今夜の宿所はまだまだかなり先の鳳珠郡能登町。あまりゆっくりもしていられないので、能登島とはこれでお別れ。本当にあっけないが、近いのでまたいつでも来られそうだ。
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 ▲ツインブリッジのと(中能登農道橋)を渡り、能登島から再び七尾市の本土側へ。

ということで、この後はさらに能登半島を北上し、4年前にも訪れた穴水町から能登町を目指します。
(続く)
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