熱気に満ちた真夏の香港へ―黄大仙・尖沙咀篇

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 ▲九龍半島の南端に位置する繁華街、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)の金馬倫道(Cameron Road)。
映画なんかでよく見かける、道路にせり出した無数のど派手な看板群。これぞ香港という光景だ。

今年の7月、2泊3日で香港に行ってきた。中華圏への旅行は、一昨年の上海昨年の台湾に次いで三度目。近ごろ日中関係の悪化が取り沙汰されているが、幸い我々が訪れたのはそれよりも前の話だ。
香港と言って思いつくイメージは、異常なほどの人口密度、美しい夜景、カンフー映画、そして香港マフィアといったところ。なんだかとにかく、めちゃくちゃキャラの濃い街だ。映画やドラマの中でしか見たことのない世界を実際に訪れるということで、心を躍らせつつ日本を発った。
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 ▲まずは中部国際空港で、我々が搭乗したキャセイパシフィック航空CX533便(Boeing777-300)。
飛行機は10時15分、定刻通りに中部国際空港を出発。途中、紀伊半島の南部から四国の南端、九州南部、台湾北部を経て、13時25分(日本時間14時25分)に土砂降りの香港国際空港に到着した。飛行機の窓にバチバチと雨粒がぶち当たり、早くも先が思いやられる。

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 ▲巨大な空港のため、関空のウイングシャトルのように空港内を新交通システムで移動する。

入国審査を済ませ、パスポートには「HONG KONG」のスタンプが押される。ちなみにこの香港というエリア、1997年にイギリスから返還されたため、厳密には中華人民共和国の一部になっているが、今も「香港特別行政区」という特別扱いの地域になっており、政治上も中国本土とは独立した権限を持っている。背景こそ違えど、台湾と同じ「中国だけど中国じゃない」という微妙な位置付けなのだ。
使われている文字は台湾と同じ繁体字、自動車も左側通行(中国本土は右側通行)と、着いた瞬間からあれこれと中国本土との違いが見えてくる。

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 ▲そして通貨も独自のもの。中国人民元ではなく香港ドルが使われている。
この香港ドル紙幣のデザインがまた面白い。上の写真は2枚とも10ドル札だが、何だか見た目が違う。香港には中央銀行(日本で言うところの日銀)がなく、一般の銀行3行が共同で貨幣を発行しているので、同じ額面の紙幣でも図柄が違っていたりするのだ。また、一般的な紙ではなくビニールのようなプラスチックのような素材で出来た紙幣もあり、ちょっとしたカルチャーショックを受ける。

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 ▲団体バスで空港を出発すると、やがて遠くに街並みが見えてきた。やはり人口密度が凄そうだ。
海外に行くといつも、空港を出て街の風景が見えてくるこの瞬間が一番ワクワクする。いつの間にか雨も止み、晴天が広がっていた。亜熱帯の天気は変わりやすいというが、ここまですぐに変わるとは…。

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 ▲さて、最初にやって来たのは、団体見学コースに含まれていた黄大仙(Wong Tai Sin Temple)
香港を代表する道教寺院とのことで、参拝者も多く、まるでお祭りのようにたくさんの人でごった返している。が、時間が無いのでわけもわからないままただ通り過ぎる。それにしても凄い蒸し暑さで、まるでミストサウナの中にいるようだ。バスを降りた瞬間にいちいち眼鏡が曇るのが面倒くさい。

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 ▲伝統的な建築様式と、背後に迫る超高層アパートとの対比が面白い。
このあたりは交通の便も良いため住宅街になっているようだ。この黄大仙も市民の憩いの場になっている模様。何やら日本語が書かれたTシャツを着た少年がいたので、よく見てみたら「ストリート目線な絶頂インポートブランド」と書いてあった。何じゃそりゃ。

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 ▲黄大仙は占いの名所としても有名。隣接する建物の内部には、占いの店ばかりがずらりと連なる。

わずか15分ほどで慌ただしく見学を終え、再びバスに乗り込む。ここからは一般道をぐねぐねと進み、徐々に香港の中心街に近付いてきた。沿道はやはり超高層アパートだらけだが、なぜか途中の階に大きな空洞が設けられた独特のデザインの建物が目立つ。これはデザインではなく風水の考え方によるもので、「気」の通り道なのだという。香港では日常生活に風水の考え方が根付いていて、新しい建物を建てる際には必ず風水師の意見を取り入れるのだそうだ。

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 ▲旧啓徳空港跡地にほど近い土瓜湾という地域で。このあたりは雑然とした下町のようだ。

やがてバスは、高級ブランドショップが建ち並ぶ青山か表参道のような感じの垢抜けた繁華街にたどり着いた。九龍半島の南端に位置する尖沙咀(Tsim Sha Tsui)だ。
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 ▲尖沙咀・北京道のギャラリア免税店へ。エスカレーターがやたら豪華だ。
ツアーコースに含まれていたのでここに連れて来られたわけだが、正直、免税店には全く興味がない。「1時間ほどショッピングをお楽しみください」と言われたが、我々は勝手に免税店から抜け出して街に繰り出してみることにした。

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 ▲すると、そこはまさしく香港映画に出てくるような世界。堪富利士道(Humphreys Avenue)で。
当たり前だが、右を見ても左を見ても漢字だらけ。そして、元イギリス領なので英語も目立つ。ただ、日本語の看板はそれほど多くなく、意外にも韓国語が幅を効かせていた。こんな看板だらけのところを2階建てのバスがひっきりなしに通過して行くから見ていてヒヤヒヤする。もう豪快すぎだ。
見ただけで日本人と分かるのか、特に免税店の周辺では、歩いていると5分に1回くらいのペースで「ニセモノアルヨー」としつこく声を掛けられた。そういうのに興味がないからわざわざ街に出てきたのに。

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 ▲ふと空を見上げれば、文字通りの摩天楼。もはや東京が見劣りしてしまうくらいの密集度だ。

ちなみに香港では、信号機から常に何やら「カチカチカチカチカチ…」と時計のような音が鳴っていて、これがけっこう騒々しい。おそらく視覚障害者への配慮なのだろう。さらに、エスカレーターや動く歩道も、起点と終点付近で同様の音が鳴っていて、しばらく街を歩いていると耳から離れなくなる。

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 ▲街では、串揚げのようなものを売っている屋台風のお店に人だかりができていた。
その名も「龍津風味美食店」。現地の人気店なのだろうか。ソーセージ、ハム、蟹フライ、魚蛋(つみれ)などなど。何やら得体の知れない不思議な色のもある。一応漢字と英語でメニューが書かれているが…。

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 ▲ここは無難にフランクフルトをチョイス。15香港ドル(約150円)。
赤いケチャップと黄色いマスタードをかけて食べてみたのだが、赤い方は実はケチャップではなく激辛の辛子ソース。猛烈に辛くて舌がヒリヒリするのだが、これがまた美味くてやみつきになる辛さだ。

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 ▲次は、金馬倫道沿いにあった「優の良品 AJI ICHIBAN」という謎な名前の店に入ってみた。
ここはどうやらお菓子の店のようだ。後で分かったことだが、香港だけでなく中国本土やアメリカにも店舗展開している大手チェーンのようで、外観も内装も商品パッケージもそれなりに洗練されている。「の」と平仮名が付いているが、日本とは一切関係の無い会社。台湾に行ったときも思ったが、中国では商品名や社名に日本語っぽい言葉を取り入れると格好良さや高級感が出ると思われているようで、やたら「の」が濫用されている。日本でいうところの「THE」みたいなものか。

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 ▲商品もやたらと日本語だらけだが、別に顧客に日本人を想定しているというわけでもなさそうだ。
香ばアーチンド」に「くちどげまろヤガチョコ」。なんかいろいろと惜しい。「ハッカ」とか「涼しい」ってのも何だかなぁ…。今の時代、機械翻訳でももっとまともな訳をしてくれるのに、もはやネタにしてくれと言わんばかりだ。

さて、集合時間が近づいてきたので、地下街を経由して免税店に戻ろう。
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 ▲香港の地下街は、動く歩道があちこちに設置されているのが有り難い。
これのおかげでちょっとした徒歩移動もそれほど苦にならず、鉄道の駅勢圏を広げるのにも役立っているようだ。

何食わぬ顔で免税店に戻った後は、バスでホテルに移動。尖沙咀の繁華街からほど近いところに位置する富豪九龍酒店(Regal Kowloon Hotel)というホテルだ。

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 ▲夜は、維多利亞港(ビクトリアハーバー)沿いの遊歩道、「星光大道(Avenue of Stars)」へ。
対岸に望む香港島の高層ビル群はまさに絶景。こちら側の遊歩道も多くの人々でごった返し、とても活気に満ちている。上海の外灘から黄浦江越しに浦東新区の夜景を眺めたときを思い出す。

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 ▲20時からは「幻彩詠香江(Symphony of Lights)」という光のショーが毎日開催される。
ギネスに認定されたという世界最大規模のイルミネーションイベントだ。写真では分かりづらいが、ビルのてっぺんからたくさんのレーザービームがビュンビュンと飛び交い、ビルの外壁の照明もギラギラと点滅している。

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 ▲反対側の九龍半島の風景。この奥に我々が泊まったホテルもある。

ということで、香港旅行の一日目は慌ただしく終了。

最後に、ホテルの近くの某マッサージ屋さんのパンフに書かれていた日本語案内文(原文ママ)がこちら。

このごろの都市のレディースはすべて事業の行先でヽ作業および生活する圧力は巨大です○賢い女性のみなさんはゆるやかに緩み接種して来る挑戦に直面することにわからなければならなくて
ヽ2時間引き出してひとつが全身油のマッサージをおすことをしてヽ信じるのは最優秀充電する秒法です!!
Paradise Spaはあなたの需要を知っていてヽあなたのために24時間の専門外約ホテルサービスを持ってきます


一体どうやって訳したらこんなふうになるのか…。

さて、翌日は香港からちょっと足を延ばして、中国本土の深圳まで向かいます。
(続く)
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Comment

おお~、香港ですか~。既に懐かしい感じがします(笑)
お宿はRegal Kowloon Hotelでしたか。
うちの親戚が遊びに来た時もここでしたが、悪くないホテルですよね。
黄大仙に占いストリートに、星光大道に、尖沙咀のごちゃごちゃした町並み、
本当、香港はどこを撮っても絵になる町です。
お次はシンセンですか~。どこに行かれるのか楽しみです。

>ねじまきさん

今年の春まで香港にいらしたんですね。きっと懐かしいことでしょう。
確かにどこをとっても絵になる風景が多いところでした。あらゆる名所を満喫した2泊3日でしたが、本当はもう少しゆっくりしたかったです。
ホテルもさすがに高級感があって、便利で快適でしたよ。
深圳篇、というか最初はほとんどが国境越えネタですが、まもなくUP予定です。お楽しみに。

写真を瞬時見れば山の麓に並んでいる高層ビルになぜか釜山(プサン)のようだという感じがします。

免税店でのショッピング時間を利用して街を歩いたことはmatch345さんらしいです。私もその場にあったら免税店ショッピングをさぼりそうです^^;;

港町の夜景はすばらしくてなぜか憧れることになります。

>Tabiperoさん

確かに、海沿いの山麓に高層ビルが建ち並んでいるあの光景は、関釜フェリーで釜山を訪れたときを思い出しました。
香港や台湾、上海、そして韓国もそうですが、とにかくいつも高層ビルの多さに驚きます。地震の多い日本では到底考えられないですね。

夜景は本当にロマンチックな光景でした。これも実は、宴会を途中で抜け出して行ったのですが^^;;
でも、香港と言ったらやっぱり夜景ですよね。
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