何だか気になる東濃の小都市めぐり(前編)

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 ▲陶町の玄関口、国道419号の起点付近にある八王子神社の参道で。
小さな神社だが、紅葉が燃えるように美しい。この神社の隣には、不思議なものがたくさんある。

先日の記事で軽く紹介した、秋の東濃旅行。
この旅の目的は、前回紹介した絶景スポット2ヶ所とともに、以前から気になっていた2つの街を訪れることにあった。その2つの街とは、昭和中期まで独立した町だった旧恵那郡陶町(現:瑞浪市)と旧土岐郡駄知町(現:土岐市)である。
前編では、まず最初に訪れた陶町の方から紹介しよう。
さて、この陶町。もともとは名古屋と飯田を結ぶ中馬街道(現在の国道363号にほぼ相当)に沿って開けたところで、現在も瑞浪の中心部とは独立した市街地を形成している。さらに驚くことに、町の公式サイトまである。小さな市の中の一地区にしては、なかなか気合の入ったところである。
そんな陶町の国道363号をのんびり走っていると、何やら巨大な物体が見えてきた。

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 ▲高さ3.3mでギネスにも認定された、世界最大の美濃焼のこま犬だ。
なんでも、ふるさと創生事業の1億円を使い、お年寄りから子どもまで地域住民総出で半年もかけて作ったらしい。案内板によると、市制35周年を迎える1989年に、国道419号の起点と終点にあたる瑞浪市と愛知県高浜市が姉妹都市提携をした際、その国道419号の起点であるこの地点に、瑞浪産の陶土と高浜産の瓦土を使用したこま犬を作ることになったというのだ。何じゃそりゃという感じだが、一応ちゃんとした由縁はあるようだ。

ところがこの陶町。世界最大のこま犬だけでは満足できなかったらしく、もう一つ世界最大のものを作ってしまった。
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 ▲それがこちら。世界最大の美濃焼の茶壺だ。
先ほどのこま犬のすぐ裏手だが、目立たないので知らずに通り過ぎてしまいそうなところにある。「豊穣の壺」と名付けられたこの壺も、やはりギネス認定。よく分からんが、なんだか凄いぞ陶町!

再び国道363号を東進し、陶小学校のところから旧道に入ると「猿爪(ましづめ)」と呼ばれる集落に突入する。ここが陶町の中心街だ。
字面だけを見ると、猿が爪を伸ばしてニヤニヤしていそうな薄ら寂しい山里の風景が想像されるが、2万5千分の1地形図では建物密集地を表すハッチが存在し、Mapionの地図でもある程度の商店の集積が確認できる。本町、新町、元町、宮町、旭町といった通称地名もある。実はけっこうな街なんじゃない?そんな期待を抱きつつ、旧国道をしばらく東進すると、小さなY字路に出た。
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 ▲旧国道363号(右)と、旧々国道363号(左)の分岐点だ。
ここまで分かりやすい旧道の入口というのもなかなか珍しい。この記事では、右手の通りを「旧国道」、左手の通りを「旧中馬街道」と呼ぶことにしよう。昔からの歴史ある道は左手の旧中馬街道なので、まずはそちらから歩いてみることにした。

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 ▲旧中馬街道
このあたりが最もお店の密集しているところのようだ。と言っても、残念ながら多くのお店が閉店してしまっている。ただ、街路灯だけは今も商店街らしさをアピールしていて、「本町発展会」の表記もある。

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 ▲旧中馬街道沿いで。
閉めているお店ばかりで寂しい光景が続く中、昔ながらの駄菓子屋がポツンと営業していてホッとした。今でも地元の子どもたちには親しまれているのだろう。

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 ▲続いて旧国道の方を歩いてみた。
1986年に陶バイパスが開通するまでは、ここが正真正銘の国道363号だった。今でも人通りやクルマの往来が多く、それなりに活気はあるのだが、やはり閉めているお店が多い。

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 ▲そんな旧国道沿いで唯一賑やかだったのがここ。東海地区ではお馴染みのスーパー、バローだ。
旧国道を歩いている人やクルマはみなここに向かっていた。バローにしてはかなり小さめの店舗だが、黎明期の店舗なのか、それとも既存のローカルスーパーを買収したのか。いずれにしても、街の規模に見合ったほどよい大きさのこのスーパーは、地域の人々の社交場にもなっているようだった。

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 ▲旧国道沿いに建つ瑞浪市役所陶コミュニティーセンター
何の目的か分からないが来客が非常に多く、バス停もあるためか、ここもちょっとした賑わいが感じられる。古い建物ばかりの通り沿いで、ここだけがやけに新しく立派でよく目立っている。
2004年にこの建物が完成するまでは、先ほどの旧中馬街道沿いにあった支所が使われていたようで、そちらも廃墟となったまま残っていた。使われなくなった支所の建物はずっと時代が止まっているようで、一時期岐阜県内では頻繁に見かけた「新首都は東京から東濃へ」「新国会議事堂・大使館村は瑞浪へ」と書かれたボードがいまだに掲示してあった。いろんな意味で侘びしさを感じさせる。

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 ▲旧国道を走る東鉄バス。瑞浪駅と明智を結ぶ路線が約1時間おきに走っている。
ちなみに瑞浪駅からの所要時間は約30分、運賃は500円(2011年11月現在)。

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 ▲旧国道から路地を一歩奥に入ると、古びた製陶工場が建ち並んでいる。
陶という地名からも分かるように、ここもまた美濃焼の産地として知られている。町のあちこちに工房があり、倉庫のような小さな作業場で絵付けの作業をしている人も見受けられた。

のんびり1時間ほど散策したところで、陶の街とはお別れ。正直、もう少し賑やかなところを想像していたが、全体にちょっと苦戦気味のようだった。人口が少なく、目立った観光地もないと来れば、やはり商店街を維持していくのは難しいのだろう。ただ、これでも昔はけっこう賑わっていたのであろうことは、街のあちこちに残る「昔の名残」から感じて取れた。

ちなみに、先ほど出てきた旧国道沿いには陶郵便局というのがあり、2004年8月に訪れているはずなのだが、全く記憶がないのはどうしたものか。完全に初めて訪れる街だと思い込んでいた。当時はまだ今よりも活気があったのではないか…。

さて、陶の次は土岐市の駄知町に向かいます。
(続く)
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Comment

おお、中馬街道ですね~
大正村行く時に良く使います。

現道は程よく道幅もあり、交通量も多くなくて大好きなドライブコースです。

地元ネタで恐縮ですが、363号の起点(名東区引山-守山区森孝)あたりにも
旧街道ルートがほんの少し残っていますよ

中馬街道ですが、現在は柿野地区にもバイパスが建設中のようで、ますます快適になりそうです。
引山-森孝あたりは何度か訪れたことがあるのですが、あんなところにも旧街道ルートがあったとは知りませんでした。
基幹バスの走る広い道のイメージしかなかったので、これはちょっと気になりますね。

郵便局は....

始めまして
郵便局は移転してますよ。以前は床屋さんの前にありました。

今では閉店した店や独居老人宅が随分と増えましたが、私が小学生の時にはスーパーはバローを含め4件ありましたし、本屋2件、パチンコに手芸店におもちゃ屋さん、服屋さんも3件程ありましたよ。母の若かりし時には映画館もあったそうです。
今では大手の製陶所が随分と倒産・廃業し子供の数も1学年14~25人と減ってきてますけどね(;´Д`A

>riuさん

コメントありがとうございます。地元の方に見ていただけると特に嬉しいです。
本当に昔は繁盛していたんですね。今では信じられないくらいですが、ぜひその頃の光景を見てみたかったものです。
郵便局は5枚目の写真の近く、小木曽畳店さんの向かい側にあったみたいですね。
ただ、私が以前に訪れたのは2004年なのですが、その頃はもう現在の場所だったような気がします。
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