Japanese Circus―大脇梯子獅子

P1000540RS.jpg
 ▲10代・20代の若者が命綱無しで演じる「大脇梯子獅子(おおわきはしごじし)」。
400年以上の伝統を持ち、愛知県の無形民俗文化財に指定されている。公式サイトによると、もともとは豊作を祝う行事だったようだ。

先週の日曜は、豊明市の大脇神明社で行われる「大脇梯子獅子」を見に行ってきた。
地元住民だけで行われ、知名度もさほど高くない行事だが、上の写真にもある通り、アクロバティックな演技はまさに「日本版サーカス」。地元在住のみるくさんが招待してくださったので、一緒に見に行くことになった。
さて、例によって会場には直行せず、昼間はぶらぶら街歩き。興味のない方は写真5枚分読み飛ばしてください。

まずは名古屋駅から地下鉄桜通線で終点の徳重駅へ。今春に野並-徳重間が開通したものの、なかなか乗る機会に恵まれなかったので、今回ついでに乗ってみることに。
P1000043RS.jpg
 ▲徳重駅前風景。新しい街だけあって、街並みは若々しくピカピカだ。
奥に見える建物は、ユメリア徳重(緑区役所の徳重支所を中心とする複合施設)とヒルズウォーク徳重ガーデンズ(ユニー系列のショッピングモール)。この一角、数年前までは山だったはずだが、いつの間にか大変貌を遂げている。

P1000053RS.jpg
 ▲バスターミナルの頭上に広がる空中庭園。ヒルズウォークとユメリアを結ぶデッキになっていて、園内にはドッグランもあるようだ。

こんな真新しい風景ばかりかと思えば…

P1000023RS.jpg
 ▲こんな昔ながらの風景も。ほんの数年前までは、あたり一面がこんな感じだったのだろう。
個人的には、こういった風景が少しでも残されていた方がホッとするのだが、いつかは開発の波に呑まれてしまうのだろうか。

続いて、徳重から名鉄バスで名鉄前後(ぜんご)駅へ。珍駅名として知られるが、豊明市の中心駅であり、駅前も綺麗に整備されていて賑やかなところだ。個人的には、駅前の雰囲気が韓国・平澤市の松炭(ソンタン)駅に似ている気がする。

P1000085RS.jpg
 ▲前後駅前、国道1号の裏手に沿って伸びる旧東海道
単なる新興住宅地と思われがちな豊明市だが、旧街道沿いにはちらほら古い建物が残っていて歴史を感じさせる。つい先日訪れた静岡県の薩埵峠からずっと続いてきた道なのだと思うと、ちょっと感慨深い。

P1000142RS.jpg
 ▲前後駅の西から南に伸びる商店街。地元では「桜橋商店街」とか「桜ヶ丘商店街」と呼ばれているらしい。
前後駅周辺で昔ながらの街並みが残っているのは、旧東海道とここくらいだろう。通り沿いには懐かしい雰囲気の食品スーパーがあったが、既に閉店してしまっていた。郊外型のショッピングモールが増え、こうした人情味溢れる食品スーパーがどんどん減っているのが寂しい。

商店街の中にある小さな喫茶店で食事をし、のどかな田園風景の中を通り抜けて、いよいよ梯子獅子の会場に向かった。
P1000182RS.jpg
 ▲梯子獅子の会場となる大脇神明社
どこにでもありそうな小さな神社だが、今日は熱気に満ちている。お祭りらしく、屋台もたくさん出ている。

舞台の周りには既にビニールシートがたくさん敷かれ、見物している人たちはほろ酔い状態で大盛り上がり。こちらは舞台にほど近いところに立って見物することにした。
P1000274RS.jpg
 ▲まずは、豊明市の友好自治体として招かれた長野県上松町の小川里若連による「葛の葉」子別れの段
獅子が口に筆をくわえ、「恋しくば尋ねきてみよ和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」の歌を手を使わずに書いている。ところどころ鏡文字になっていたり、上下逆になっていたり、いろいろと凝っている。

P1000303RS.jpg
 ▲続いて、このイベントのメインとなる梯子獅子(波打ち)が始まった。
舞台の上で暴れていた獅子が突然梯子を上り始め…


 ▲地上約12mの櫓の上から身を乗り出したりと、さまざまな演技を披露。
この「波打ち」は稲穂が風に揺れる様子を表現しているようだ。


 ▲そして最後は「ひり木」と呼ばれる木の棒の上を滑り降りて来て、無事終了。拍手!

次は「天狗の山遊び」。こちらは、アクロバティックというよりは力技の演技だ。
P1000342RS.jpg
 ▲最初に天狗と子天狗が登場。


 ▲猿(ピンクの頬被り)と狐(水色の頬被り)がいろいろな芸を披露して天狗をからかう。途中でハプニングも…。

最初は鬱陶しそうに猿と狐を追い払おうとしていた天狗だが、徐々にその気になっていき…
P1000413RS.jpg
 ▲最後は狐2匹・猿2匹と小天狗を見事に担ぎ上げる。総重量は180kgにもなろうか。
しかし猿たちは、馬鹿にするような仕草でさっさと逃げて行ってしまう。怒った天狗は、逃げ遅れた狐を1匹担ぎ上げて無茶苦茶に振り回す。狐は手をすり合わせて謝る、というオチ。
5人を担ぎ上げる天狗の力技もさることながら、内容もコミカルで面白かった。

続いては、大脇梯子獅子の中でも特にスリリングな演目、「吊し竹」。

 ▲櫓の上から吊るされた竹によじ登り、さまざまなポーズ。

P1000437RS.jpg
 ▲こんなことや…

P1000464RS.jpg
 ▲こんなことまで。見ているこちらがヒヤヒヤしてしまう。

さらには空中ブランコのようなものに乗り移り、空中で足袋に履き替えて座禅を組んだり…

 ▲こんなパフォーマンスまで。心臓の弱い方は視聴をお控えください。

「吊し竹」で散々ヒヤヒヤさせられた後は、クライマックスの「一本竹」。
冒頭の写真で紹介したのがこれ。地面に垂直に立てられた約10mの竹によじ登り、その上で演技をするというものだ。
P1000496RS.jpg
 ▲竹の真下では豊明市消防団の方々がマットをスタンバイし、万が一のときに備えている。


 ▲いよいよ演技が始まった。まずは登るスピードが尋常じゃない。こりゃもはや猿だ(良い意味で)。


 ▲最後は竹のてっぺんでこんなポーズをしたり…


 ▲竹をわざと揺らしてこんなことまで。どんどん危険さがエスカレートしている。

P1000518RS.jpg
 ▲ここまで来ると、もはや何が起こっているのかよく分からない。

というわけで、ハラハラドキドキの「大脇梯子獅子」は無事に終了。命懸けの演者たちを拍手喝采で労った。

地元だけで行われている小さな行事でありながら、この迫力は素晴らしい。もっと評価されるべきである。地元の若者だけで絶やすことなく続けているというのも頭が下がる思いだ。
大脇神明社は、名鉄前後駅・豊明駅からそれぞれ徒歩20分。毎年10月の第2日曜日に開かれるこのイベントに、来年こそはぜひ出掛けてみてはいかがだろうか。
関連記事

Comment

こんにちは。
2年半とはいえ愛知県民だったのに全く知りませんでした…!
テレビなどでも取り上げられないお祭りなんでしょうか。
10月の第2日曜ですね。覚えておきます。

豊明の町並みとセットでの訪問が良さそうですね。

私も20年近く愛知県民をやっていますが、つい最近知ったばかりです。
地元以外での知名度はそんなに高くなさそうですね。にもかかわらず、これだけの技術が脈々と受け継がれているのが凄いところです。
毎年、昼間からやっているようなので、ぜひどうぞ。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

>鍵コメさん

初めまして。コメントありがとうございます。
前後みたいに単なる新興住宅地と思われがちなところでも、思わぬところに商店街があると嬉しく感じてしまいますね。豊明市はこの他に、三崎町方面にも商店街があるようです。
ブログを少しだけ拝見しましたが、かなりあちこちに行かれているようで驚きました。またゆっくりと拝見しますね。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
Comment Form
公開設定

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。