知る人ぞ知るソウルの名所 三清洞・北村

2011年夏の韓国旅行。
帰国した翌日から仕事漬けの毎日で、今ごろになって最終日(8月29日)の記事をUPします。この日はちょっと長いので、まずは前編から。

さて、朝7時過ぎにホテルをチェックアウトし、地下鉄でソウル駅へ。平日の朝なので通勤客で混み合っている。
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 ▲ソウル駅、旧駅舎(手前・史跡第284号)と現駅舎(奥)。
旧駅舎の方はつい先日、1925年の竣工当時の姿に復元されたようだ。東京駅によく似ているが、設計は塚本靖とゲオルグ・ラランデによるもの。内部の公開も始まったと聞いていたが、この日は残念ながら閉鎖されていた。
まずは、昨年末にオープンしたばかりのソウル駅都心空港ターミナル(KARST)へ。
空港に行く前に飛行機の搭乗手続きと出国審査を行うことができるこの施設、手続き後は自由に外出できるので、帰国が午後便の場合、あらかじめ手荷物を預けて身軽な状態で市内観光に行くことができる。今回の帰国便は仁川空港19時発だったので、ほぼ丸一日、目一杯ソウル市内で過ごすことができた。
おまけに朝早かったからか、それともまだ利用が定着していないからか、他にお客さんは誰もいなくて待ち時間はゼロ。空港で長い行列に並んで手続きすることを思えば、大幅な時間の節約にもなる。詳しい話は、後日また別の記事で紹介することにしよう。

ターミナルで手続きを終えた後は、ソウル駅の北側にあるソウル駅前郵便局にやって来た。
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そう、この日は平日。2年前に釜山郵便局で通帳を作って以来、韓国でも旅行貯金を始めたのだ。
ここでお約束の1000ウォン貯金。前回の貯金は2009年12月24日の安養郵便局が最後だったので、その間に利子が50ウォン付いていた。

郵便局近くのバス停から10分ほどマウルバス(小型巡回バス)に揺られ、今日の最初の目的地である三清洞(サムチョンドン)というエリアにやって来た。ここはソウルの中でもレトロな街並みとお洒落な街並みが融合したところ。南大門や明洞と違って外国人観光客はまだまだ少ないが、地元のソウルっ子たちが休日に散策に来るような、隠れた名所だ。
以前にも一度訪れてまっちの街歩きホームページでも既に紹介しているが、そのときは駆け足気味に通り過ぎただけだったので、改めてじっくり歩いてみることにした。

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 ▲正読図書館近くの路地。洒落たカフェやギャラリーがぽつぽつと見られる。

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 ▲爽やかな並木道の三清路(サムチョンノ)。雰囲気がどことなく名古屋の藤が丘に似ている。
前回の訪問時は枯れ木ばかりだったので、随分印象が違って見える。さらに、路肩も綺麗に整備されて小綺麗な雰囲気になっている。前回訪れた食堂「三清洞スジェビ」も、いつの間にかお洒落な外観に変身していた。前回はほとんど見かけなかった日本人観光客も、今回はちらほらと見かけた。この2年間で少しずつ変わってきているようだ。

続いて、三清洞に隣接する北村(プクチョン)へ。ここは韓国の昔ながらの伝統家屋、韓屋(ハノク)が数多く残るところで、近年少しずつ有名になりつつあるものの、いまだソウルの隠れた名所。韓国では人気バラエティ番組「一泊二日(イルバク・イーイル)」で紹介されたことがきっかけで、一気に知名度が上がったようだ。

三清洞と北村の間は崖のような地形になっていて、三清路からは石段の路地がたくさん伸びている。その多くが袋小路になっているのだが、3つだけは北村エリアに繋がっていて、「マルグンセム(清らかな泉)通り」、「マルグンハヌル(清らかな空)通り」、「トルゲダン(石段)通り」といった名前が付けられている。通り名を表す可愛らしい看板も設置されており、こちらもまっちの街歩きホームページで既に紹介済みだ。

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 ▲まずは「マルグンセム(清らかな泉)通り」。
三清路を基準に説明すると、お粥・ピビンパのチェーン店「ポンチュク・ポンピビンパ」と、イタリアンレストラン「dal1887」の駐車場の間から東に伸びている。韓屋を改装したカフェなんかがあり、ちょっとお洒落な雰囲気だ。

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 ▲続いて「マルグンハヌル(清らかな空)通り」。
こちらは、「三清洞スジェビ」の向かい側、カフェ「TEA STORY」の北側から伸びてクランク状にカーブしている路地のこと。こんな道でもちゃんと奥に通じている。NHKの「世界ふれあい街歩き」に出てきそうな、生活感溢れる路地だ。

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 ▲石段を上がったところには休憩所を兼ねた小さな展望台があり、三清洞や景福宮、さらには都心部の風景が一望できる。この日は少し霧がかった天気だったのが残念。
この展望台の周辺には小さな博物館も点在していて、時間が許せばじっくり見て回るのも面白そうだ。

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 ▲マルグンハヌル通りの途中から東に分岐しているのが「トルゲダン(石段)通り」。大きな一つの岩盤を削って造られた石段なのだそうだ。

この北村には、特に景観の優れたところを集めた「北村八景」が設定されており、現場に行くと「PHOTO SPOT」と書かれた表示が地面に埋め込まれている。この北村八景を巡るようにして歩けば、北村エリアの名所がひととおり制覇できるというわけだ。
実はこの「トルゲダン通り」こそが最後の「北村八景」。今回はルートの都合上、八景から一景へ逆戻りするような形で歩くことにした。

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 ▲石段を上がって北村エリアの中央部に突入し、しばらく歩くと「北村七景」の路地が。
前回来たときは知らずに通り過ぎてしまった路地だ。この手前のお宅は何やら工事中。復元工事でもしているのだろうか。

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 ▲北村七景の近く、六景・五景方面に向かう交差点。
何だか見覚えのある風景だと思ったら、モランボンのチャプチェのCMで冒頭に出てくるシーンがここだったのだ。CMでは左側手前がユン・ソナさんの家という設定になっているが、実際は一般の方が暮らす民家。観光客だらけのこんなところで普通の生活をするというのも大変なものだろう。

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 ▲続いてこちらが「北村六景」
このあたりは「嘉会洞(カフェドン)31番地」と呼ばれ、北村で最も昔ながらの雰囲気が残るところ。奥に見える都心の高層ビル群との対比が面白い。

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 ▲北村六景と同じ路地を下から見上げたのが「北村五景」
こちらは本当にタイムスリップしたような風景。平日のためか観光客もそれほど多くなく、落ち着いた雰囲気が味わえた。

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 ▲次の北村四景は、一見袋小路のように見える狭い路地を入っていくと、さらにその奥にある。
この路地の風景が四景なのではなく、右手の無骨な塀の奥に見える風景がそれだ。

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 ▲これがその「北村四景」
一面に連なる韓屋の瓦屋根。こんな角度から北村の風景を一望できる場所が、それもこんな路地の奥にあるとは。これは新たな発見だった。

四景から三景までは少し距離があるので、途中で三清洞郵便局などに寄りつつゆっくり散策。北村八景のポイントから外れたところにもなかなか風情のある路地があったりして、気の向くままぶらぶらと散策するのも楽しそうだ。中でもプオンイ(みみずく)博物館近くの路地は特に可愛らしい雰囲気でお勧めだ。

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 ▲続いて「北村三景」
「嘉会洞(カフェドン)11番地」と呼ばれるこのあたりは、いわゆる北村エリアの中心部からはやや離れているものの、伝統的な韓屋が連なっていて負けず劣らず美しい景観を成している。

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 ▲北村三景から北に伸びる路地もなかなか風情がある。

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 ▲さらに、この近くにも見晴らしの良いポイントが。「一泊二日」でキム・ジョンミンが眺めていたのは、確かこの風景だと思う。

このあたりでちょっと疲れてきたので、「文化空間 ヒャンナムチプ(문화공간 향나무집)」という伝統茶のお店で一服することに。まるで民家のような建物だが、「OPEN」の札が掛かっているので中に入ってみると、品の良いハルモニが出迎えてくれた。
民家のような玄関で靴を脱ぎ、これまた民家の応接室のような一室に通される。メニューには日本語も併記されており、各種伝統茶、パッピンスや餅などのスイーツ、さらにお粥やうどんなどの軽食までいろいろあるようだ。
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 ▲パッピンス(小豆入りの氷菓子)をいただく。

ところでこの日は、午後から朝鮮王朝の古宮・昌徳宮(チャンドックン)に行くことになっていた。せっかくだから後苑(フウォン)の特別観覧に行きたいと思っていたのだが、日本語のツアーは13時30分から。これに間に合うためには遅くとも13時ごろに昌徳宮に入場すれば良いが、じっくり見学するためには12時半ごろに入場しておきたい。
ということで、時間を逆算しながら北村八景を一つずつ回っていたのだが、先ほどのお店でゆっくりし過ぎたためか、このあたりからそろそろ時間が迫ってきた。「一泊二日」でミッションのタイムアウトが迫っているときのBGMが脳内で流れ始めた(と言って分かる人がどれだけいるやら)。

三景から二景に向かう途中には、ドラマ「冬のソナタ」のロケ地となった中央高校の正門がある。時間が無いし、「冬のソナタ」には大して興味もないので、写真だけ撮って通り過ぎようとしたら、やけに愛想の良いおじさんが日本語で話し掛けてきた。どうやらこのあたりには、日本人観光客をターゲットに韓流スターグッズを法外な金額で売りつける店が多数あるようだ。訪問される方はご注意を。

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 ▲「北村二景」、苑西洞の路地。
一見、何でもない路地に見えるが、伝統刺繍や組み紐などさまざまな工房が軒を連ねている。宮中飲食研究院もこの通り沿いに立地している。時間が無いので、写真だけ撮って引き返す。

昌徳宮の西側に沿った道を早歩きで南下し、最後の北村一景を目指す。
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 ▲こちらが「北村一景」。昌徳宮の全景を見下ろすことができる唯一のポイントだ。

最後は駆け足だったものの、これで北村八景を全て制覇!
あとは入場券を買って昌徳宮に入場するだけ。果たして間に合うのだろうか…? (後編に続く)
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Comment

やはり1泊2日の影響力は大きいですね。 私も北村8景があるとはその放送を見て初めて分かりました。 事実は私は8景どころか北村をまともに見回したことがありません。

中央高等学校は平準化以前に5代私立学校と呼ばれる所野原の中の一つだったが、都心空洞化と江南開発で他の高等学校がみな江南で引越ししたのに唯一江北に残っている学校です。デート コースで良いと思うが一緒にデートする人がないので^^;;

冬のソナタは韓流の代表走者のようなものになってしまったので、それを狙った悪徳商人らもあるようですね。

>Tabiperoさん

北村8景は、私も「1泊2日」で初めて知りました。
過度に観光地化されていなくて、韓屋の素朴な雰囲気がそのまま残っているので本当におすすめですよ。
中央高等学校、歴史が古いだけでなく名門校だったんですね。早々に通り過ぎてしまったので、あまりよく見ていませんが…
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