「とでん」で「ごめん」

昨日も紹介したが、高知の街には路面電車が走っている。土佐電鉄、通称「土電(とでん)」だ。
人口30万人程度の地方都市にしては本数はかなり多く、休日の昼間でも4分間隔程度で走っている。200万都市にありながら休日は10分に1本しか来ない名古屋の地下鉄鶴舞・桜通線にはぜひ見習ってほしいものだ。

さて、はりまや橋商店街にほど近いデンテツターミナルビル前の電停から、さっそく文珠通行きの路面電車に乗車。

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 ▲やって来たのは1963年製の600形628号。昔の電車らしく、車内はどことなく油のにおいがする。
吊り掛けのモーターを唸らせながら、時折ひと昔前のアニメの効果音のようなミュージックホーンを鳴らしつつ、道路の真ん中をガタゴトと進む。
デンテツターミナルビル前から15分ほどで、終点の文珠通に到着。ここから先の区間に乗り継ぐことを運転士さんに告げ、乗継券を受け取って降りた。この券があると、初乗り料金を二重で取られることがなく、後続の電車では運賃の差額を支払うだけで済むのだ。

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 ▲乗ってきた車両。文珠通電停の近くで。

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 ▲文珠通では新型の低床車両「ハートラム」とちょうどすれ違うところだった。
1日に7~8往復程度しか走っていなくて、しかも5日に1日は定期検査に入ってしまうので、なかなか乗れる機会のない貴重な車両だ。

後続の電車まで少し時間があるので、その前に近くの郵便局に立ち寄ることにした。

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 ▲高須簡易郵便局。簡易局らしく民家の一部を間借りした局舎だが、一見すると普通の郵便局のようでもある。

高須簡易局からは、文珠通の次の介良通(けらどおり)電停の方が近いので、そこまで歩いて後続の電車を待つ。ところが、反対方面の乗り場はきちんとしたホームがあるものの、こちら側の乗り場は2車線の道路のうち0.5車線分くらいを緑色にペイントしただけの場所が乗り場。これは慣れない人にはちょっと怖い。電車が来ている間は、対向車は停止して待たなければならないようだ。

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 ▲介良通電停に到着する後続の電車。先ほどと同じ600形の627号だ。
行先表示に「ごめん」と書いてあるのは、別に謝っているわけではなくて、終点が後免町(ごめんまち)という電停だからだ。

しばらく街外れのようなところを走り、途中の長崎駅を過ぎると高知市から南国市に入り、やがて南国市の中心部に突入する。その南国市街の入口にあたる後免西町(ごめんにしまち)電停は、乗り場の真ん前に南国郵便局というのがあるようなので、そこで降りることにした。
時刻表で調べてみたところ、到着予定時刻は15時58分だったのだが、信号の都合で2分ほど遅れて到着。郵便局に駆け込んだときにはすでに貯金窓口は閉鎖されていた。ああ、残念…。
ということで、今回の旅行貯金は高須簡易局がラストとなった。

最後に、夕暮れの南国市街、後免地区をしばらく街歩きすることに。

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 ▲後免東町電停付近で。古びた街並みに路面電車がよく似合っている。

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 ▲後免東町電停より東側は、路面電車が専用軌道に入ってしまうので、ごく普通の商店街となる。
このあたりの地名は「大(おおそね。「そね」は土へんに甬)」というらしく、普通のパソコンでは変換できない特殊な文字が使われている。

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 ▲そしてこれが終点の後免町駅。土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線と接続している。

これのどこが駅なんだ、ローソンじゃないか、と思われるかもしれないが、左手に回ってみると…
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 ▲このようにホームがある。駅舎にローソンが入っているというより、ローソンに駅が併設されているような感じだ。

ちなみに…
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 ▲駅の待合室からもローソンの店内に入ることができる。引き戸のローソンなんて、他にあるんだろうか?

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 ▲続いて、後免地区のメインストリート・後免町商店街。昭和の香りがぷんぷんする風景だ。

実はこの後免、アンパンマンの作者であるやなせたかし氏が小学生時代から青春期を過ごした街らしい。それにちなんで、後免町商店街は「やなせたかしロード~少年の心になれる道~」として町おこしが行われ、アンパンマンのキャラクターの石像が7体設置されている。
後免に限らず、やなせ氏のキャラクターは高知県内や四国のあちこちで使われていて、例えばJR四国にはアンパンマン列車というのが走っているし、後免から東方に伸びる土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線には、各駅ごとにやなせ氏がデザインしたキャラクターが設定されている。

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 ▲最後に、JR後免駅前の国道195号。もうすっかり日が暮れてしまった。

ということで、今回の旅行はこれで終わり。この後は、高知龍馬空港からまっすぐ名古屋に帰って来る予定です。

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 ▲今年3月で廃止予定の、JAL高知-名古屋(小牧)便(ボンバルディアCRJ200)。高知龍馬空港で。

3日間にわたってお送りしてきた瀬戸内・高知シリーズはこれで終わりです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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Comment

あけまして

今年もよろしくお願いします。新年のあいさつも送ってなくてすみません。今年もお互い頑張りましょう。
高知は行ったことないので写真楽しみです。
あと、4トラベルというサイトで完成度の低い旅行記を公開しているので、一度ご覧頂けたら幸いです。
http://4travel.jp/traveler/shoopanda/album/

>shoopandaさん

お久しぶりです。こちらこそ、本年もよろしくお願いします。
遅くなってしまいましたが、先日写真のUPが完了しました。またご覧くださいね。
旅行記、ひとまず少しだけ拝見しました。いつの間にかベトナムに行かれてたんですか。ハロン湾、いいですねぇ。食べ物もおいしそう…。
それにしても、冒頭の文章が文学的ですね。私なんか、事実をつらつらと書いているだけなので、ぜひ見習いたいです^^;;

「とでん」というと「都電荒川線」を思い浮かべるようになってしまった…

ふるさとを出たころにゃ、東京には染まりたくないものだと思っていたのに、年月とは、げにおそろしきものなり。

久しぶりにコメント。

>きがないさん

都民でなくとも、ほとんどの人は「とでん」と聞けば「都電」を思い浮かべるでしょうね。少なくとも、高知の人以外は。
こういう地域限定語って好きです。
久々にきがないさんのコテコテ名古屋弁(尾張弁というべき?)を聞いてみたいもんですが。すっかり標準語が染み付いて話せなくなってたりして…?
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