ちょっと遠回りな東京旅行(2009.9) その4~安中榛名編

(前回からの続き)

長野駅から、長野新幹線あさま530号東京行きに乗った。JR東日本の新幹線に乗るのは今回が初めてだ。
あさま530号

東京と長野を結ぶ長野新幹線は、名古屋に住む私にとっては正直言って縁がない。なので、こんな機会だからしっかり景色を見ておこうと思ったのだが、車窓はトンネルと塀ばかりでちっとも面白くないのだ。おまけに薄曇りで、山もろくに見えない。長野の街を延々と歩き回った疲れから、半分以上居眠りしてしまった。
ともあれ、長野を出ると上田佐久平軽井沢と各駅に停車。どの駅からも大量に乗ってきて、軽井沢からはどこからこんなに湧いてきたのかと思うほど大量の乗客が。とうとう立ち客まで発生。さすが首都圏のUターンラッシュだ。恐るべし。

その軽井沢を出るといよいよ長野県から群馬県に入る。そしてほどなく安中榛名駅に到着した。新幹線の秘境駅とか、政治駅だの税金の無駄遣いだのと散々な言われようをしたあの駅である。誰一人見向きもしないこの駅で席を立ち、扉に向かった。
そう、今回の旅行の目的の一つは、この駅を訪れることにあった。
安中榛名では、私を含めて5名くらいが降りたようで、乗ったのは15名くらいのようだった。さすがに乗降ゼロということは無かったが、Uターンラッシュの真っただ中でこれである。普段は一体どんな様子なのか。

そしてこの安中榛名駅、発車メロディ(これ、メロディか?)がまたぶっ飛んでいる。

安中榛名駅発車メロディ
首都圏以外の人にはあまり馴染みがないかもしれないが、JR東日本では多くの駅で、発車ベルの代わりにメロディを鳴らしている。長野新幹線もそうで、他の駅はごく普通のメロディなのだが、この駅だけがこんな警告音みたいなやつなのだ。
ある友人曰く「現代病をイメージした曲」。ホームは鬱蒼とした森に囲まれているので、余計に不気味に感じる。
さらに、列車が発車した後にホームゲートが閉まるときには、映画「白い恋人たち」のテーマ曲(ピアノアレンジ)が流れるのだが、これがまた物悲しくてたまらない。

改札の外に出ると、やたら規模が大きい割にはローカルムード漂うコンコースに出た。改札の横には峠の釜めしで有名な「おぎのや」の売店があり、また、そこそこの広さの待合室もあった。

安中榛名駅
安中榛名駅
駅前の駐車場は意外にも大盛況で、満車になっていた。新幹線利用客に限り無料で利用できるようなので、これは穴場なのかもしれない。また、駅前からは信越線磯部駅行きのバスが出ているが、こちらは閑散としていた。

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開業当時は本当にとんでもない秘境駅だったようだが、東京駅まで最速59分という地の利を生かし、JR東日本によって「びゅうヴェルジェ安中榛名」という住宅地が開発されているようだ。とは言え、駅前に建物らしい建物は全く見あたらない。
それにしても本当に静かなところだ。鳥と虫の声しか聞こえない。ときどき駅のアナウンスと新幹線の通過する音が静寂を切り裂く。

安中榛名駅前
やけに広い駅前の通りをしばらく歩くと、信号機があった。どうやらこれが安中榛名で唯一の信号のようだ。が、交通量がほぼゼロなので、こんなふうに車道から堂々と撮影できる。
この交差点で、ようやく1軒のコンビニ(デイリーヤマザキ安中榛名店)を見つけた。これもどうやら安中榛名で唯一のお店らしい。ただし24時間営業ではないようだ。びゅうヴェルジェ安中榛名のコミュニティプラザを兼ねているようだが、ひっそりとしていた。

さらに駅前の通りを南下すると、不思議な構造物が見えてきた。
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天空の丘というらしい。ちょっとシュールな光景だ。この先は一体どうなっているのだろう、と思いながらモニュメントをくぐると、
びゅうヴェルジェ安中榛名
意外にも住宅がたくさん建ち並んでいた。駅の周辺に何もなかったのは、近隣商業地域に指定されているから、すなわち住宅用の区域ではないからだ。大型商業施設でも誘致するつもりなのだろうが、この状況じゃどこも出店したがらないわな。

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とはいえ、街は徐々にできつつあるようだ。犬の散歩をしている人や、庭いじりをしている人なんかもいたりして、生活感は感じられる。車さえあれば、さほど生活には困らないのかもしれない。

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このあたりの地名は「秋間みのりが丘」となっている。まさに東京郊外のベッドタウンといった雰囲気だ。

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なかなかお洒落な住宅街だ。しばらく散策してみたが、一応それなりのニュータウンができつつあるように見える。安中榛名駅の利用者数も、年々増え続けているようだ。

再び安中榛名駅に戻り、磯部駅行きのバスに乗った。小さくて可愛らしいバスだ。
アークバス磯部駅行き
気さくな運転手さんと談笑しながらバスに揺られる。平日の朝は新幹線通勤の人を5人くらい乗せるそうだが、それ以外は地元のお年寄りや学生ばかりとのこと。また、今日は曇っていてよく見えないが、独特な形が美しい妙義山を、せっかく群馬に来たのならぜひ見るべきだ、と教えてくださった。
妙義山は横川の方から見たんじゃだめだよ、嫁の背中を見てるみてぇで迫力がねぇ」という言葉が妙に印象に残った。
乗客は途中まで私一人だったが、途中の碓氷病院前のあたりから数名乗ってきた。このあたりは旧中山道が通っているためか、ちょっとした街になっていて、小規模な商店街もあった。

20分ほどバスに揺られ、終点の「磯部駅」の1つ手前の「磯部温泉」で降りた。
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磯部温泉街。いい具合にひなびた温泉街だ。
この磯部温泉は、誰もが知っているあの温泉記号()の発祥の地なのだそうだ。1661年に幕府から出された評定文の添付図にこの記号が描かれており、それより古い資料が見つかっていないことから、ここが温泉記号発祥の地となったわけだ。

街中には足湯もあり、若い人も多く賑わっていた。この日はこの磯部温泉に泊まることにした。

磯部温泉旭館
創業100周年の老舗旅館、旭館さんで。

ちなみに私は、群馬県に来るのはこれが初めてである。首都圏で唯一足を踏み入れたことが無かったのが群馬県で、それもあって今回はここに泊まることにしたのだ。これで経県値、一気に4UP。
群馬県といえば、「日本一影が薄い都道府県」の座を栃木県と争っているらしいが、最近は某お笑い芸人の出現で、栃木県にすら負け続けているという。何だかあまりに群馬県民が気の毒だ。この旅行を機に、ぜひとも群馬県の魅力を再発見してみようと思う。


次回はやっと2日目。磯部温泉街の周辺を散策した後、碓氷峠と峠の釜めしで有名な横川を目指します。

(続く)
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Comment

安中榛名とすればなぜかヒマラヤ山脈どこかにある山のような感じがします。 付け加えて私は軽井沢-高崎間長野新幹線は乗ってみることができませんでしたね。

駅周辺に住宅地を開発している姿は韓国の光明(광명)駅や天安牙山(천안아산)駅と似ています。 周囲が静かで通勤時間だけ耐えられることができるならば生きやすいところ同じですね。

群馬県は漫画'イニシャルD'の背景になって知っています。 碓氷峠も出てきたといったのです。

「アンナ・カハルナ」という小説があるらしいです。読んだことはありませんが^^;;
天安牙山駅といえば、開発途上で周辺に何も無かった光景を思い出します。2つの地名を重ねた駅名というのも同じですね。ただ、こちらは天安牙山と違ってかなり急な傾斜の山地でしたが。
イニシャルDが群馬県の話だとは知りませんでした。韓国でも人気なんですね。
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